北京の科学館のリニューアルオープン日

NO.187


Sony ExploraScience

 SonyExploraScience


視察日時 2003年10月 1日


到着まで

2000年に中国で仕事をする機会があった。初めて行く国だったので、期待と不安は尋常ではなく、その当時の印象では、人民服を着た人が自転車に乗って町中を走り回っている・・・そんな印象しかなかった。

でも、実際に行ってみると行くまでのイメージとは全く違う。もちろん街中では人民服は見なかったし、自転車は多かったけどそれ以上に車が多かった。

それと何よりも印象に残ったのが、中国の人たち(特に仕事で一緒だった人)の熱心さ、日本では“猛烈”と言う言葉はほとんど死語に近い言葉のようだが、今の中国の人たちを見ていると、まさに“猛烈”と言う言葉がぴったり合う。
とにかく、よく働き、よく学ぶ。知識に関してはとてもどん欲な人たちだった。

そんな方々と、ケンケンガクガクの後、オープンしたのが「SonyExplorascience」という科学館。その名の通り、Sonyが手がけた中国初の日本製の児童向け科学館である。

あれから3年の月日が流れ、今回施設をリニューアルしてオープンするという情報を聞いて、いてもたってもいられなくなり、一路北京へ!!リニューアルオープン日は10月1日。この時期は中国は「国慶節(日本で言う建国記念日)」で、この期間は中国は大型連休中なのです。

よって10月1日前に現地に入り、周辺の雰囲気を味わうことになりました。

SonyExplorascienceがあるのは北京市内の王府井(ワンフーチン)という場所。ここにある「東方広場」というビルの中に入っている施設だ。

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中国の建物で、決定的に日本と違うのがその大きさ。日本では池袋の東武百貨店など有名ですけど、ここは規模が違います。

ビルの端から端まで歩くだけで、十分に疲れてしまう・・・そんな施設です。しかも、ビルの下には地下鉄も直結されていて、これまた便利!!

この東方広場もとても楽しい施設なのですが、施設を出て大通り(王府井大街)を横切ると、雰囲気はがらっと変わって、今度は古い町並みが現れます。

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こうした屋台風のお店が連なる一角に、日本のたこ焼き屋さんを発見!!珍しいのか美味しいのか(?)こちらのお店は列ができるほどの大繁盛!!

多くは食べ物系の店舗が多く、朝からろくに食事もしていないので、徐々にお腹も減り始める・・・そしていよいよ食事となったのですが、悲しいかな言葉が通じない。そこで、注文は全て身振り手振りとなる。

「何はともあれビールでしょう」と生ビールを売るお店を見つけて、飛び込んでみると実に安い。ジョッキのサイズは大ジョッキサイズなんですが、泡少なめでなみなみとついでくれる。言葉がわからないので「謝謝」連発で応えていると、次から次にジョッキにビールをついでくれる・・・。一人二杯飲めってことか・・・?

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そして、この通りのお店で多いのが、日本で言うところの下手物系の料理。「サソリ」「虫のさなぎ」などなど、いわゆる罰ゲームでテレビによく登場する品々・・・。

でも、甘く見てはいけません。これらの食べ物は“滋養強壮”の効果があると言うことで、単なる肉の串焼きなどより高いのです!!。実際効果があるのかって?一応試すことにしましたが、いきなりサソリの尻尾が唇に刺さったときは焦りました・・・。

・・という感じで、前日から大いにはしゃいでしまった、北京の一日。いよいよオープン日を迎えます。


内部の構成

いよいよ、オープンの日。3年前に笑顔で別れたスタッフ達とも無事再会を果たして今日は天気も良く、全て順調にいきそうな予感・・・。

最初に言っておきますけど、この施設はカメラやビデオ撮影は禁止です。

さてさて、まずは入口なんですが、ここではチケットに氏名の入れたり、顔写真を入れたりすることができるのです。このためチケットには2次元のバーコードが付けられているのです。

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チケット売り場で名前を登録して、チケットを受け取り、さらに奥で写真を撮ると場内で入館証などを出力してもらえるようになっています。

当然、この手の説明を行う必要があるため、チケットブースはちょっと混雑します。

さて、このSonyExplorascienceが普通の科学館(や博物館)と大きく違う点は、内部のスタッフの対応にあります。

普通の科学館というと、スタッフは遠目から見ているだけで、来場者が何か変なことをしようとすると注意する・・・という場合が多いんですが、ここはスタッフが積極的に来場者に話しかけて、コミュニケーションを取りながら科学技術を教えていきます。

今から3年前のオープン時はスタッフの皆さんちょっと恥ずかしそうにやっていましたが、月日の流れは早いもので、今日は皆さん自信に満ちた表情でコミュニケーションを取っていきます。

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こうしたスタッフの活躍も見逃せないんですが、中の展示物もなかなか凝っています。

マイクを通して録音した声が、声の大きさによって吹き出しの映像として表示されたり、手で動物の形を作って画面に合わせると、それが動物に変化したり・・・。

こうしたデジタル技術を駆使した展示物は、家族連れにとても人気があります。展示物の前は、常にお子様連れの方が並んでいます・・・。

そして、今日はリニューアルオープンのため、日本から海を越えて強力な援軍が来ていました。「QRIO」です。

日本でも大人気のQRIOですが、北京でもその人気はすさまじいものがあります。ある意味日本以上の人気者と言っても良いでしょう。
科学館内のイベントステージは、QRIOを見るために皆さん並んで待っているくらいですから・・・。

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さらに、このステージの司会進行もスタッフが行います。日本だったらナレーターの方が行うようなシーンですが、ここでは全部自分たちが行うのです。

さらに、驚くのがこの司会進行が非常にうまい!!台本もカンペも持っていないスタッフが流ちょうにQRIOのことを説明していきます。

QRIOはステージだけの活躍ではありません。一緒に写真を撮るコーナーもあり、こちらも大盛況。とにかく中国の人は写真が大好きです。

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科学技術の解説とQRIOステージで当日は大混雑でした。

QRIOがいないときには、スタッフ達が科学技術をテーマにした劇なども行っているそうです。こちらも機会があれば見てみたいものです!!


物販と飲食

SonyExplorascienceにはショップがあります。ここがまたまた大人気!!商品はプリントTシャツなどですが、自分の写真をデジカメで撮ってもらい、これをPCに取り込んで、さらに加工して、出力する。

日本では自分の写真を・・・と言うと引いてしまう人が多いようですが、中国の人は撮られるのが大好きなようです。

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ちなみに、ショップが施設の一番奥になっていますので、ここで買い物をした人は外に出て行くような動線になっています。

SonyExplorascience内には飲食施設はありません。もちろん中での飲食も禁止なので、当然と言えば、当然ですが・・・。

ここに来たときには東方広場のレストランを利用しましょう。ちょうどSonyExplorascienceの出口横のエスカレーターを一つ下ると、レストランコーナーなので、飲食はとても便利です。

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中国は食事の値段が日本では考えられないほど安いのです。お腹いっぱい食べても一人1000円で収まります。

ただし、一人前のボリュームは日本の三人前くらいありますから、調子に乗って頼みすぎると、食べ残しだらけになるので要注意!!


感想

およそ3年ぶりに来た施設でしたが、非常に雰囲気の良い施設です。挨拶だけ見ても声をかけるだけでなく、目を合わせる・・これが徹底されているんですねぇ。

さらに、凄いのがこの施設北京市から「優秀な科学館であり、子供の教育のために大きな貢献をしている施設」ということで表彰を受けていました。

展示物だけで満足してしまう科学館は日本でもいくつかありますが、展示物も満足、明るいスタッフにも満足と3年ぶりに見たSonyExplorascienceは“進化したサービス”を売り物に大きく成長していました。

この施設を見て帰国した後、「いらっしゃいませ」と「こんにちは」はどちらが心地よく聞こえますか?と言う質問に・・・

「やっぱり、你好ですね」

と答えてしまいました。さらなる進化が楽しみです。

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