立地は悪いが、そこを逆手に取るアイデアに脱帽

No.0041


木城えほんの郷

木城えほんの郷


日時 2001年 2月 18日


到着まで

視察記録を書き出してから自分の担当するものが、26カ所目になる今回、いよいよ今までとは正反対な事態が起こりました。なんと今回は同伴者がいるのです。さらにとある行政のご担当者のご紹介で施設の責任者の方のお話が聞けるというのです。

まさにライブハウスで細々とやっていたバンドが突然メジャーでビューしてしまうような衝撃です。

という今回の視察場所は「木城えほんの郷」です。木城町は宮崎県の中央部の山岳地帯にある町です。宮崎の市内からも2時間近くかかる場所で、決して交通至便という場所ではありません。なぜこんなところに・・・というと以前から宮崎の方に是非行ってみて下さいという紹介を受け、今回やっと実現の運びとなりました。

まずは市内で今回一緒に同行して下さる方と合流しました。ここから川沿い、山沿いに車を走らせます。すると14キロ手前から誘導のサインが出てきます。これが実にかわいらしい・・・そしてこのセンス抜群なサインに誘導されて施設に導かれていきます。

木城えほんの郷木城えほんの郷

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如何でしょうか?約15キロの道もこうやってサインに導かれながら行くと非常に楽しい道中になります。道路標識と一緒にかかれた青地に白文字のサインとは全く正反対のセンスあふれるサイン計画・・・感嘆しきって到着です。

木城えほんの郷

市内から車で約2時間。ついに到着しました。


施設の構成

「郷」という名前が付くだけあった、非常にのどかな雰囲気です。四方は全て山。車や機械の音がしない非常に静かな雰囲気です。

木城えほんの郷木城えほんの郷

施設自体は山の中腹を利用した場所にあるので、山から見下ろせるような非常に景色の良い場所です。今までどちらかというと人工的に作られたものばかり見てきた小生にとっては、これまた正反対の体験です。

そして、びっくりするのが場内サイン。非常にアナログですがとってもわかりやすい。サインというとパソコンでコテコテデザインするイメージがありますが、こういう方法もあるんですねぇ・・・

木城えほんの郷

場内は、大きく分けるとステージ、コテージ、絵本館の3つに分かれます。簡単に紹介します。

ステージ

屋外型ですが、木製で素朴な造り・・・。座席だって木のベンチです。主に自主公演や子供達の学芸会のような劇が上演されるそうです。

木城えほんの郷

続いて水上ステージ。決してウォータースクリーンなどありませんが、良い雰囲気です。

木城えほんの郷木城えほんの郷

夜に、ステージを利用しての上演会などがあるそうですが、是非見てみたいものです。

コテージ

1泊1万円だそうです。特に凝った造りというのではなく本当に素朴な造りです。

木城えほんの郷木城えほんの郷

森のきこり館

コーヒーショップと絵本などを売っているお店があります。ゴテゴテしていないシンプルな造りが非常に雰囲気を出しています。

森の絵本館

もちろん、メインの施設です。通路を登り詰めた最後にあります。

木城えほんの郷

鉄筋コンクリート製でしょう。でも変にいかついようなイメージのない造りです。

ストリートファニチャー

絵本館に行き着くまでの間ですが、ファニチャーも素朴で素晴らしいです。

木城えほんの郷木城えほんの郷

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常に素朴な造りですが、都市圏在住のデザイン専門の皆様が果たしてこのようにコーディネートできるのか・・・。非常に疑問です・・・。

サイン

入口のサインも素晴らしいですが、場内の案内サインも負けてはいません。

木城えほんの郷

何一つ飾らない。それでいて譲らない・・・と言うのはどこぞのウイスキーの宣伝ですが、そのようなイメージがあります。


森の絵本館

いよいよメインの施設「森の絵本館」です。白い建物の中、うち放しのコンクリートと木の壁というマッチングです。

木城えほんの郷木城えほんの郷

入口では靴を脱いで、チケットを購入します。もちろんターンスタイルやチケットブースなどはありません。ちなみに値段は大人1枚300円。どうでしょう・・・。300円ですよ!

中は2層です。1階は絵本の原画のような展示の部屋があります。

木城えほんの郷木城えほんの郷

フロアはカーペット敷きで良い感じです。絵本大好きな方は2~3時間平気で居座るでしょう・・・。

展示室の外はちょっとした休憩スペースになっています。

木城えほんの郷木城えほんの郷

木製の丸テーブルに、木のイス。イスの背もたれには星座をあしらった模様が着いています。しかも各イス別々に・・・。

1階から2階へは階段を登りますが、車椅子などの利用者のためにエレベーターもあります。

途中の踊り場には、イベント情報やアンケートの回答箱なども用意されています。

木城えほんの郷木城えほんの郷

2階は展示室が一つと、絵本の読書室、後は施設の人たちの管理スペースです。

展示室には一つの絵本の話を、室内を一周使って展示しています。最初、反対に回ってしまって何がなんだか・・・となってしまいました。あぁ恥ずかしい・・・。

読書室はところ狭しと絵本があります。この絵本の種類の多さは正直びっくりです。

木城えほんの郷木城えほんの郷

読書室は昔ながらのストーブと、寝転がっても読めるようにカーペットが敷いてある場所もあります。

大人も、子供も絵本を見ながら、ゆっくりと時間の流れを楽しんでいます。せわしい都会にいるとこんな経験はまずできないでしょう。

読書室にはベビーベットもあり、赤ちゃんが寝たくなっても安心です。

ここまで来て、あることに気がつきました。同行してきたみんなが居ません・・・。アレレ・・・、と思ったら皆さん読書中。いつの間にかいつもの視察状態になっていました・・・。

読書室の外には、1階と同じ丸テーブルと木のイスがあります。外には雄大な山の景色が見える素晴らしい雰囲気の場所です。

木城えほんの郷木城えほんの郷


森のきこり館

こちらはいつもの視察施設で言う「飲食物販施設」です。絵本館から入口側にしばらく歩いたところにあります。

木城えほんの郷木城えほんの郷

素朴な木製の建物の中に、絵本や小物などが並べてあります。

木城えほんの郷木城えほんの郷

入口のサインも非常にシンプルでGOODです。


感想

木城町は宮崎市内から約2時間という決して交通至便な地域ではありません。施設自体も多額のコストをかけたと言うわけではないようです。

しかも、マスコミを大々的に利用せずに、本当に口コミだけで人を集めて、なおかつ絵本の売上が全国で5本の指にはいるような施設です。

自然との共生、文化との共存・・・。地方のどこの施設でもがうたうテーマを、徹底的にこだわり、妥協せず、作り上げていった結果がこの素晴らしい施設に結びついたのではないでしょうか?正しいことを正しいと言い続ける信念・・・。できることとできないことを見据えて、将来の構想を考えていく視点。

全てが勉強になります。

『全国の集客施設の各種業務担当者の皆さんにここで宣言します。絶対に見て下さい!感じ取って下さい!』という気分になります。

まさに、今までとは正反対の施設。そしてどちらが正しいのかは、施設が健全経営されていることではっきりします。なんとこの立地で施設は黒字経営です。

感動した反面、今まで何してきたのだろうか・・・。落ち込んでしまった「えほんの郷」視察でした。

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