一度で回り切れない仏教テーマパーク@鞍馬寺

NO.424


鞍馬寺

鞍馬寺


日時 2019年10月24日


貴船神社から貴船口駅に戻り、山側に一駅進むと終点の「鞍馬」駅。ここが最初の目的地の鞍馬寺の玄関駅です。


鞍馬寺鞍馬寺


やはりこのエリアも外国人の観光客が多数います。日本では観光名所として取り上げられることが少ないエリアだと思うのですが、外国人のパワーは侮れません。

駅周りは“天狗”に関わるオブジェが色々あります。


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今年に入ってから作られたものもあるようです。


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駅を出ると目的地までは2分と書かれています。駅前の商店を迂回するように進むと正面に鞍馬寺が見えてきます。ホントに2分の距離・・・至近です。


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貴船神社と同様でここも入口は段数の多い階段があります・・・。階段の先に大きな山門(仁王門)が見えるので気力を振り絞って登りましょう。


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お寺の入口というと狛犬がつきものですが、鞍馬寺は犬ではなくて…獅子?


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門には「鞍馬弘教総本山鞍馬寺」と書かれています。

奈良時代に修行に来た僧が鬼女に襲われたところを毘沙門天に助けられ、その後毘沙門天を祭る庵を作ったことが始まりだそうです。

平安時代に寺としての整備が行われ霊山として高貴な方の参拝も多く、源氏物語に登場する北山の寺は鞍馬寺といわれています。

修行場所としても栄えた場所で僧兵も多くいたそうです。源義経もここでトレーニングを受けました。南北朝時代には南朝方から支援要請があるなど武力集団としても注目されていた施設です。

昭和に入り現在の鞍馬弘教総本山となりました。

起伏の激しい山→修行→屈強な修行僧→傭兵化→軍事組織・・・というのは中世日本のお寺の基本的な特徴ですね。

そんな場所なので坂道や階段が非常に多いです・・・。


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そして階段よりも急でないか?と思うくらいの坂道が出現・・・自分は僧兵になる気はないのでこれは登れそうもありません。そんな方には・・・ケーブルカーがあります。


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パッと見はとても駅とは思えないのですが、普明殿と書かれている施設の二階がケーブルカーの発駅です。

普明殿の一階は鞍馬山についての説明を行う場所です。いわゆるオリエンテーションルームになっています。この施設のことを知ってから二階に向かってケーブルカーを利用しましょう。

大きな車両ではありませんので運が悪いと立って上に進むことになります。これを使えば一気に250メートル近くの標高差を解消できます。


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小さ目なケーブルカーですが車窓はさすがの鞍馬エリア。幻想的な雰囲気です。


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登り切ったところが多宝塔礼堂。ここからは徒歩です。ケーブルカーは下るときに乗ることもできます。


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駅の正面に見えるのが「多宝塔」。そしてここからは自分の脚だけが移動手段です。この参道は新参道といわれているようです。元々の参道はケーブルカーを利用しない急勾配の参道。こちらの参道にもいろいろと施設はあるのですが今回は・・・パス・・・。


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新参道を進んで最初に見えるのが「弥勒堂」。小さな祠のような施設です。この傍にある橋から谷を見るとどれだけ勾配がきついかよくわかります。


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この先は道が分岐していて右に進むと本殿につながっています。それにしてもすごい勾配です・・・。


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ありがたいことに現れる施設には名称と番号が書いてある札がありますので見損ねることはありません。在弁天とか手洗場所とかお寺というより神社のような設備が色々あります。

手洗場所の奥には喫煙所もあります。この施設唯一の喫煙所なので注意が必要です。


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階段を登り詰めるとやっと本堂に到着しました。当たり前ですが内部は撮影禁止です。


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本堂の対面には国宝に指定されている石もあります。こちらもお参りするとご利益がありそうです。


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本堂の隣には「光明心殿」と呼ばれる施設があります。こちらもお参りできます。その先は奥の院と呼ばれるエリア。貴船神社につながる道があります。


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再び急な階段・・・そして急な坂が続きます。途中で与謝野晶子夫妻の句碑なども見ることができますが体力的にはかなりきつい・・・。上り詰めたところは博物館になっていました。

この先も色々あり最終的には貴船神社にたどり着けるのですが今日は時間の関係でここまで・・・。

来た道を戻ります。階段って降りるときもきついと感じるようになったのは年のせいでしょうか?


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ケーブルカーで降りてきまして、仁王門から駅側を見るとこんな感じ。


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次の電車までちょっと時間があったので駅の構内を見て回るとなかなか面白いです。


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ちなみにこの路線は今年90周年のようです。

次に予定があるとはいえ、起伏に圧倒されて腰が引けてしまう結果になりました。次回は山登りにチャレンジしたいと思います。

 


追記(2019年12月4日)

前回は雨で博物館までしか行けなかったので、今回は満を持して全部制覇することを念頭にリベンジです。鞍馬駅から行くと一度登ってまた下ることになるので、今回は貴船口側の「西門」からスタートすることにしました。幸い天気は良く、気温も低いのでトレッキング日和・・・。


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“奥ノ院橋”を渡り、鞍馬寺西門から入ります。

「山登りになりますが、よろしいですか?」と念を押されてから切符を購入します。ここまでは山登りを軽く考えていたので快諾。

そして・・・恐怖の一時間が始まる・・・。


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まずは門の先にある階段。最初はこうした急斜面もありがち…と思っていたのですが・・・行けども行けども急斜面・・・。

さすがに鞍馬天狗のホーム。なめてかかった自分を責めつつも一歩ずつ進むしかない。

悪いことにヒートテックを着込んでいるため汗が出るとさらにインナーが発熱。12月なのに外で汗だくになりながら登頂を目指します。


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こうして一気に登ること600メートル弱。魔王殿に到着しました。


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魔王殿は鞍馬寺のWEBサイトによると

「魔王殿」は太古、護法魔王尊が降臨した磐坐・磐境として崇拝されてきました。

とあります。まさに鞍馬寺のラスボスが鎮座している場所です。参拝場所がある建物の奥にはどうやらご本尊がありそうなのですが遠くに感じながら参拝しました。

参拝して少し休むと多少汗が引いてきました。


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慣れというのはありがたいもので、この先も登りなのですが魔王殿までの斜面に比べると起伏もなだらかで足取りもだいぶ軽くなりました。

途中で源義経と鞍馬天狗の出会いについて書かれている木札もあります。鞍馬天狗も源氏派だったようです。こんな逸話が残るというのは当時の平氏の傲慢ぶりがなした所業とも考えられますが・・・。


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そんな逸話の考察ができるほどに道が歩く安くなった辺りで、「義経堂」に到着。ここは奥州で非業の最期を遂げた義経の御霊が今でも眠っている場所とされています。


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義経堂の隣にあるのが「僧正が谷不動堂」。

ここは義経のゆかりではなくて、伝教大師(最澄)が天台宗を起こすにあたり作った不動明王が安置されている場所です。

義経が武芸の修行をしたのはこの辺りとされているそうです。

この辺りから地面も平坦になりいい風が吹いてきました。すっかり汗も引いていい感じです。


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ここで道が二つに分かれます。どちらから行っても全て見れますが、左の背比べ石を目指します。再び階段ですが、もうだいぶ慣れました。


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そしてちょうど山頂辺りにあるのが「背比べ石」。源義経が奥州に旅立つ前に名残を惜しんだ場所とされています。


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背比べ石の反対にあるが「木の根道」。その名の通り杉の木の根が地面に出ていて複雑に入り組んでいます。よくある森の奥の魔物が出る前のゾーンみたいです。


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木の根道を進むと「大杉権現社」に出るはずですが・・・なんと崩落していました。

そしてここからは下りの急斜面が続きます。西門のあたりと比べると石畳もしっかりあるので登りやすそうに見えます(たぶん気のせいです)。


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さらに進むと「屏風坂の地蔵堂」


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義経が武芸の稽古の合間に利用したとされる「息つぎの水」。800年もの間、湧き出し続けています。

ここを下ると前回の最終地点の「霊峰殿(鞍馬山博物館)」に着きます。


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霊峰殿の通路を挟んで反対側にあるのが「冬柏亭(とうはくてい)」。ここは与謝野晶子がかつて書斎として利用していたもので、東京からこの地に昭和51年に移築されたそうです。


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そして本殿を過ぎて今度は前回通らなかったケーブルカーを使わないルートで下山します。

山並みを見るとまだ多少紅葉が楽しめます。


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階段を下りていくと小さな祠があったり、その先には大正天皇夫妻が参詣時に利用した大正皇后の休憩場所などが残されています。


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その先は中門(ちゅうもん)と呼ばれる門になっていて、さらに広い通路を下って行きます。


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下ると「義経公供養塔」や「愛と光と力の像『いのち』」と呼ばれる像があります。


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この辺りが「由比神社」です。お寺の中に神社というのは珍しいのですが、地蔵堂があったり、財弁天社があったりと神仏融合のエリアです。


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さらに一部破損している「鬼一方眼社」を横に見ながら通路を下るとケーブルカーの乗り場である「普明殿」に戻ってきます。

この間施設にして40余り。鞍馬寺がある鞍馬山を何とか制覇することができました。

高野山と比べると敷地こそ小さめですが、大小40以上の拝観場所がありますので、立派な仏教テーマパークですね。

10月の後半には火を使ったお祭りなどもあるので、またいつか来てみたいと思います。

視察記録

 

鞍馬寺

鞍馬寺は日本の京都府京都市左京区鞍馬本町に所在する寺である。1949年までは天台宗に属したが、以降、独立して鞍馬弘教総本山となっている。山号は鞍馬山(くらまやま)。鑑真の高弟・鑑禎(がんてい)によって開山されたという。本尊は、寺では「尊天」と称している。「尊天」とは毘沙門天王、千手観世音菩薩、護法魔王尊の三身一体の本尊であるという。京都盆地の北に位置し、豊かな自然環境を残す鞍馬山の南斜面に位置する。鞍馬は牛若丸(源義経)が修行をした地として有名で、能の『鞍馬天狗』でも知られている

TEL

鞍馬寺寺務所(075-741-2003)

住所

〒601-1111 京都府京都市左京区鞍馬本町1074

URL

http://www.kuramadera.or.jp/index.html

入場料

愛山費300円、ケーブルカー大人200円、小人100円、霊峰殿200円

開園時間

 

アクセス

叡山電鉄 鞍馬駅から徒歩2分

地図(GoogleMAP)

天気予報(ハリテンより)

視察履歴

2019/10/24
天狗の修行場所に行く。。。そして無念・・・@鞍馬寺

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