スライダーのメッカに来ました
No.0020
東京マリン
視察日時 2000年 7月 29日
到着まで
2000年もいよいよ夏本番!昨年の大量(自画自賛!)視察に気をよくして(懲りもせず)またまた、今年も視察のスタート。
かの極真の不動明王「数見肇」の百人組み手を見て感動した小生は、無謀にも100カ所視察に挑戦することを決意!その第1カ所目がこの東京マリンである。
東武線で行くと、北千住の次(準急)という非常に至便な立地であります。「ウォーターパーク」という文字を常に全面に出してきた施設だけに、かなり大胆に広告があるだろう・・・なんてタカをくくって駅に着くと「アレレ・・・」
「ない!」。看板も、広告も、チラシも・・・。いったいどこに東京マリンはあるのだろうか?駅構内の付近交通地図を発見しやっとのことで場所を確認できた。
そして、駅を出ると、寂しげに小生を導く悲しげな看板を発見!今後が心配・・・。しかも、プールに行きたい風な人影は殆ど見あたらない。「もしかして、休み??」、「まさか一番の稼ぎ時に・・・」と自問自答をしながら看板に沿って歩く。大きな道路を越える。これが「環7」である。トラック、自動車、バス等々、日本の温暖化に大きく貢献する文明の利器に混じり、親からもらった2本の足でひたすら歩く・・・「暑い」。「脈拍300、血圧600、体温が90度近くある・・・」とまさに心は「モロボシダン」状態。現在13時過ぎ、最も暑い時間である。
環7に沿って歩くこと5分くらい、遠くに見えてきた「東京マリン」の文字が確認できる。
東京マリンには始めてきたけど、非常に敷地が狭いのが特徴のようです。結構太めの道路を挟んで自転車置き場、1階は駐車場とチケットカウンターとショップやゲームコーナー、更衣は2階以上、当然プールも2階以上と実に複雑です。
駅側から見ると、入場口を越えて、チケットカウンターで切符を買い、また戻りながら入場という動線です。さらにこの動線は一般道なので、混雑するとどうなるのか不思議・・・?チケットは紙製で、半券が次回の割引券になる優れものです。
チケットを改札でもぎると、靴を脱ぎます。ここからは土足厳禁です。2階は女性、3階が男性ロッカーになっています。階段には施設内での注意点が告知されています。土禁は困るけど、室内はあぁ涼しい・・・。ちなみに私の部屋にはクーラーがないのです。
ロッカーは全てコイン式、床はコンクリートのタイル製。結構ヌメって気持ち悪い・・・やはり土禁のため足の脂が付いちゃうみたいです。
ロッカーは少しだけ高く設置しているので、水を流して洗えるようです。ただし臭いやヌメりから見て、あまり頻繁には洗わないのでは・・・。
いよいよ、着替えです。シャツ脱いで、パンツ履き替えて、全てをロッカーに放り込んで出発!というところで「あぁやってしまった!」。コンタクトレンズへの交換(小生はど近眼なのだ!)。と言うわけで早くも開けるはめに・・・悲しい。「200円よ!さようなら・・・」
いよいよ準備完了。プールへGO!
プールにて
3階プール
いよいよプールに向かいます。プールへの誘導サインは親切とは言えません。ロッカーが奥の方になるとちょっと迷います。
ロッカーはガラガラでしたが、プールサイドはギッシリ!まさに極地で日光浴をするトドの群!状態。老若男女腑抜けの固まり状態です(って言い過ぎました)。
ロッカーから出たところは地上から見ると3階です。3階には流水プールと遊泳用のプールがあります。
プールの中はどちらも泳げる程度のスペースはあります。気温と水温がライフガードセンターで確認できるのがありがたい。ちなみに現在気温は32度、水温は28度です。
プール内は基本的には何でもあり。浮き輪、フロート、ゴムボート等々いろんなものがプカプカしています。ぱっと見たところでは家族が7割、後の3割がカップルとお友達同士と言った感じでしょうか?視察と称して一人で着ているのは自分一人のようです。
プールサイドは極端に狭いです。しかも敷物がギッシリで移動は大変です。壁際は座れるように段になっているので、まだこれでもマシなようですが、これ以上人が入ると・・・
床の材質は樹脂系の防水シートで、緑色になっているのであまり足に負担がかかりません。さらに日光の照り返しで「アッチー!」と言うこともありません。もっとも殆どの人はサンダル履きなんですが・・・。
実際に泳いでみると、どちらのプールも水深が140センチ近くあるので、とっても泳ぎやすいです。流水プールでも浮くことも泳ぐこともできるのはとっても楽しいものです(特に一人で行くと・・・)。遊泳プールは25メートルの幅があるのでなかなか泳ぎがいがあります。10本くらい泳いでしまった・・・。はぁ疲れる・・・。
子供プール
ロッカーから出て左側の建物に潜り込むと子供用のプールのエリアです。プールエリア自体は2階なので、階段で下がる必要があります。踊り場周辺は日陰なので、家族の陣地の色合いが濃くなっています。おばあちゃんやおじいちゃんはこの付近で子供を待っています。
水深は70センチです。大人では腰が浸かるか浸からないかくらいでしょう。監視のスタッフは2名~3名程度、全体を動きながら監視しています。時々子供の相手もしているようで、子供にはなかなか人気があるようです。屋根(というか上のプールの地盤)があり、雨が降っても便利ですが、やや塩素の臭いがこもっているようです。
1階プール
子供プールのさらに下に造波プールがあります。ロッカーから行くには3階から階段を使って下がることになりますが、途中2階にフードコート「跡」があります。どうやら利用していないようで、ベンチやテーブルがあるのですが、自由に使って良いようです。座って飲み物など取れるように自販機などは設置していますが、スタッフはいません。照明もないのでちょっと寂しい場所ではあります。
ここを抜けてさらに階段を下ると1階のプールです。1階は造波プールとフードコートの場所になっています。
フードコートにはたくさんのスタッフがいて、清掃をまめにしています。ゴミも分別収集です。驚くのが灰皿が潤沢にセットされていることです。普通の灰皿なんですが・・・。さらに当たりを見渡すと食用油の空き缶をくり抜いたような灰皿があちらこちらに・・・。笑えるのは「喫煙は灰皿のあるところで」と書かれているサインまであること。これは事実上の好き放題ってことでしょうか?
1階の造波プールの波打ち際も大変な人です。ここは3階よりは日当たりが悪いですが、ビルの谷間の日向のような感じで、日差しも当たります。
造波プール内は、特に遊泳区域の制限もなく、造波装置のギリギリまで近づけます。最も深いところで水深150センチくらいです。プールの底がコンクリート製で、一度深いところに行くと、波の戻りに巻き込まれて、上がるまでちょっと工夫が要ります。またプールの上には「神風(スライダー)」の着水地点があり、時々水が降ってきます。ビデオなどもっていく人は注意!
監視員はプールの脇側に一人いました。全体を見るのと、注意が届くようにトラメガを持っています。聞いていると造波装置の近くのロープを掴まないようにというのが多いようです。
休憩!
プールに来て重要なことは「場所取り」。つまり一日の拠点になる場所を見つけることである。この場所の善し悪しは一日の滞留時間に大きく影響するのだ!
バンブーガーデン
今年からできた新しい休憩所。南国の民家風の作りである。
まずは受付です。4階になります。流水プールのエリアから一つ上に上がります。一番上ってことです。
料金は屋寝付きのファミリータイプ(4000円)、パラソル+ベッド2個(3000円)、ベット1個(1200円)の3タイプがあるようです。
4000円のタイプは誰も使っていません。雰囲気はとっても良いのですが、場所が場所だけに案内サインなどもっと考える必要があるのではないでしょうか?という感じです。
フードコート
プールに来て休憩となると必ずと言っていいほど「食事」が出てきます。東京マリンのフードコートは1階です。フードコート、ゲームセンター、当然プリクラなども完備です。
フードコートのメニューはラーメンや焼きそば、カレーと言った「ジャンクフード3種の神器」は完備、おでんや唐揚げと言った「みんなで突っつき系」もあります。このほかにはドリンク類。コーラ、ジュース、ウーロンチャ、ビールと定番アイテムは揃っています。料金的には400~700円程度のものが中心で、一人当たりでは1000円でお釣りが来るようなものが多くなっています。見ているとラーメンはよく売れています。次がカレー。これは子供が多いようです。「僕カレー、ママはラーメン、パパビール」と言うのが基本的なファミリーの購入携帯のようです。
そして、各テーブルに灰皿が完備されているのはなかなかです(喫煙者としては・・・)。最近は風当たりも強くなったので・・・。
プール
プールも休憩があります。プールの水底を確認する作業等もこの時間で行うので・・・。休憩は1時間に1回程度のようでした。
さてさて、休憩になり全員プールから上がると、監視室からユーロ系の音楽が・・・何が始まると思いきや・・・監視員が「パラパラ」を始めたではありませんか・・・。う~ん時代だなぁ・・・どこがおもしろいのか理解できない・・・悲しい・・・
特に告知などせずに、始めるので周りは「何だ・・・」って感じなんですが、終わり際にはすっかりノリノリで、みんなで一緒に踊っています。おじさんには北朝鮮のマスゲームにしか見えない・・・。
さてさてプールに目を移すと、黙々と水底確認が続きます。でも何か変。こんなに肌って焼けるのか?と思ってよく見ると「猿の着ぐるみ」着て監視しています。
子供が見て笑っています。なかなか芸人で子供に手を振ったりおぼれる振りしたり・・・。
と言う感じで水底確認でもなかなか楽しませてくれる東京マリン監視員軍団でした。
スライダー
東京マリンと言えば、元祖「絶叫スライダー」パークです。と言うわけで大小様々なスライダーがあります。残念ながらカメラで撮れませんでしたが、一応全部体験してきました。
絶叫系は子供に大人気で、並んでいるうちの半数以上は子供です。
直下型
最もポピュラーなタイプです。まっすぐドッカーン!
180度展開スライダー
今年登場の新作、直線が急にヘアピンに変わり、遠心力で加速してドッボン!チューブ中を滑るのでカーブの感触がいまいちでした。
ボードレース
これはおもしろいです。3コースしかないのが残念。ブリザードビーチのようにたくさんあればみんなでレースもできます。ただし一人で行くと寂しいです・・・
このほかにもスパイラルタイプなどありますが、滑走中は写真は撮れません(そりゃそうだ)。
着替え
一人で着て3時間以上遊んでしまった。以外と楽しめることを発見できる東京マリンです。
さて帰りましょうとなると、更衣室への入口にシャワーブースがお待ちかねです。1回100円ですが、温水が出るようです。
再びロッカーに戻り、着替えます。夏は軽装の人が多いのでロッカーでの更衣は極めてスムーズ。
当然のようにドレッサーはあります。ドライヤーは100円です。洗面台とは別になっているのがちょっと残念です。
着替えが終わると、ちょっと一服・・・という感じで、喫煙用のベンチも用意されています。
不思議なくらいに喫煙者に優しいパークです。感謝!
感想
百カ所視察プロジェクト第1段として、東京マリンに行ったのは偶然ではあるが良いスタートとなりました。
狭い敷地を存分に活用する思い切った構成など、建築屋さんにとっては楽しい施設です。ただ、縦動線が多い分、足への負担が大きくなるのもまた事実。床面を樹脂製にしていることでこの点いくらか軽減されるのですが、やはり素足で上下動は、現代人にはきついようです。
あとは縦動線が多いことにより、階段での事故は危惧されます。プールへの監視は万全ですが、以外と階段付近は死角になっているところが多いので・・・
プールは泳ぎやすいし、水も清潔で非常に好印象でした。水温もそれほど低くなかったので、楽しかったです。泳げるプールを持つことはウォーターパークでは非常に重要です。
水底監視中の「パラパラ」はびっくりしましたが、こうした本来クレームの対象となる時間帯をうまく使うスタッフの工夫はグッドです。しかも猿の着ぐるみ着た監視員が水底監視するなど、若いセンスが出ていて良いのでは無いでしょうか?またこうしたアイデアを具現化させている責任者の方の英断も忘れてはいけないところでしょう。
全体としては、限られたハードを最大限に活かすために、知恵を出し合ってうまく集客(顧客満足度アップ)しているなぁという印象を受けます。
後はスポンサーシップ、さりげなく大企業からスポンサードされてたのね・・・