ワールドカップスタジアム総点検!?その3

No.0056


大分スタジアム「ビックアイ」


ビックアイ


視察日時 2001年 5月 26日


到着まで

ワールドカップ会場として日本で最初の天然芝グランドのドームスタジアム「ビックアイ」がいよいよオープンします。会場視察としてはちょっとで遅れ気味だったので、いよいよここらでスパートを駆けなければ・・・と飛行機で勇躍大分に飛ぶことを決意しました。

東京からは1時間20分くらいでしょうか?前日朝まで飲んでいたため、機内では「死体」状態でした・・・。大分空港は国東半島の突端近くにあるので、市内まではかなり時間がかかります。バスで約1時間。そして、日本で唯一の定期連絡「ホーバークラフト」が就航している場所でもあります。値段はやや高めですが、この際乗ってみましょう!

ビックアイビックアイ

ホーバークラフトの乗り場から大分市内までは約25分。ここからバスでさらに移動して大分駅までは40分くらいでしょうか。

初体験のホーバークラフトですが、社内は以外に広くて客足はまぁまぁ・・・。乗っていておもしろいのが、横向きのまま出発すること。なんとも不思議な乗り物です。

空気を地面(海面)に吹き出して船体を浮かし、後ろのプロペラで進む乗り物ですから社内はかなりの音がします。しかも座ったのがエンジンの横なので「音」+「振動」はなかなかのものです。こんな状態でまたしても寝れるのですから、人間とは便利な生き物です・・・?

ビックアイビックアイ

ホーバークラフトで揺られること25分。殆ど車内の記憶は無いまま大分市内港に着きました。ここからはバスで移動です。大分のホーバークラフト乗り場は大分県営陸上競技場のすぐそば・・・。ビックアイで無ければ試合会場はすぐそばなのです。

連絡バスは小型で、派手な塗装が特徴です。駅まで15分ですが渋滞に巻き込まれると30分くらいかかるときもあるとのことでした。

ビックアイビックアイ

大分駅に着くと、ビックアイまでのシャトルバスが出ているはずですが・・・あれれ・・・。どこにもそれらしき姿が見えません。

駅前をうろうろしていると、「ビックアイオープン記念」と書かれた看板が・・・。記念セール中でした。仕方がないので店員に聞いてみると、駅前に看板を持った人がいるとのこと。再び駅まで戻ると・・・いました・・・。あらきれいな女性ではありませんか?こんな炎天下にお肌に悪いでしょうに・・・ご苦労様です。

ビックアイビックアイ

シャトルバス乗り場の誘導サインに従って歩いていくと、どんどん駅から離れていきます。「オイオイ」と言った感じなのですが、不慣れな土地、従うしかありません。JRの車庫の付近をひたすら歩くと、やっとバスの大群が見えてきます。どうやら着いたようです。

さてバスに乗ろうとすると「チケットは?」と聞かれます。試合のチケットをなぜここで・・・?と思うのですが素直に出すと「バスのチケットです」と言われました・・・。
そうです。ここではバスのチケットを買ってから乗るのです。往復800円です。片道400円分まで遠くに連れて行かれるということか・・・。

ビックアイビックアイ

バスは非常にたくさん控えているので、とにかく人の波が途絶えると定員であろうと無かろうと出発です。小生の乗ったバスは定員半分にも満たないまま出発となりました。

さてさて、バスの運転手さん。なかなか愉快なトークで和ましてくれます。

「本日はご利用ありがとうございます。窓から顔や手や体を出すと大変危険です。お客様が怪我をされますと私たち運転手の責任となります。私も妻子のある身ですので、どうかご協力をお願いいたします・・・」

なんというアナウンスでしょうか?でもおもしろい。一人で受けてしまった・・・。さて、こんな楽しいバスですが、乗っている時間は以外に長い。時間にして20分くらいでしょうか?山の奥に入り込んだと思っていたら

「大分スポーツ公園」

なる看板が見えてきます。いよいよ敷地内に入りましたが、ここからが大変。バスで10分くらいひたすら上り坂・・・。結局30分くらいバスで揺られてスタジアムのバス降車場に着きました。

ビックアイビックアイ

しかし、ここからもビックアイが見えない。一体どこに・・・。人並みに沿って歩いていくと窪地の忽然と白い屋根が見えてきます。

いよいよ着きました。残念ながら周囲はバス道路のみが舗装されていて、その他の歩道を含めた脇道は未完成・・・。なんとしても日本初の冠を狙ったのでしょう。

ビックアイビックアイ

近くまで来ると、なるほど開閉式です・・・。ドームです・・・。大分ビックアイここに到着!


スタジアムの周囲

スタジアムの周辺は「大分スポーツ公園」として整備されています。このため広大な敷地には緑地とスタジアム、野球場などが整備されている・・・予定ですがまだ殆ど何もできていません。

当然周囲には民家など見あたりませんから、人の気配が感じられる雰囲気が何もないと言った印象を受けます。

ビックアイビックアイ

先ほども言いましたが、道路に関してもまだ車道のみ舗装されており、スタジアム周囲は「砂利」道です。1990年のイタリアワールドカップのときには決勝の会場のローマのオリンピコスタジアムは、ワールドカップの開幕時にまだ工事中で「イタリアの試合までに完成させればいいさ・・・」と言っていたイタリア人の工事関係者を思い出します。

まぁそこまで引きずることはまず無いでしょうが、今のところ寂しい限りです。そんなスタジアムですが、周囲を見渡すと非常に景色がよいのが唯一の特徴です。

ビックアイビックアイ

スタジアムの周りは周遊できるのですが、今日はこけら落としと言うこともあり、一部通行止めになっています。もっとも人的対応をしているのではなく、単に黄色と黒の棒があるだけなのですが・・・

スタジアムの構造は、ドームをかぶせた西武ドーム方式で外からでも中の様子がうかがえます。ゴール裏は外からでもグランドが見えるので、ワールドカップのチケットが無い人用の特別席になるのでは・・・

ビックアイビックアイ

さらに、ドーム内にある移動カメラや、ドームの開閉部分を動かすワイヤーなどマニアックな機器がたくさん見えています。

ビックアイビックアイ

ドームの横では、子供用のミニコート(エアークッション付)で子供のサッカー大会が開催されています。安全ですが、ちょっとかわいそうな感じがします。だって、隣にこんな大きなグランドが・・・

さてさて、入口ですが全部で4箇所あります。「EAST」「WEST」「SOUTH」「NORTH」の4箇所に別れています。このスタジアムは入口のレベルが全て同じで平坦になっているのが特徴的です。ちゃんとカラーリングされていますので、間違うこともありません。

ビックアイビックアイ

ビックアイビックアイ

さらに、このスタジアムの最大の特徴と言えるでしょう。なんと、ターンゲートが付いているのです。開閉式とはいえ、ドームですからスポーツ以外にもコンサート等のイベントで利用するための配慮であると思われますが、ワールドカップ会場でターンゲートというのはちょっと意外でした。

ビックアイビックアイ

さらにチケットブースですが、以外に小さいのと地味に存在しているので、良く見ないと気が付きません・・・。

ビックアイビックアイ

それでは、中に入ってみましょう!


スタジアムの内部

ビックアイの内部の第一印象は「以外に狭いです」。ドームの圧迫感から来るからでしょうか?何となくですが、天井がドームの縁に来るとかなり低いのでなおさら、そう感じます。

メインゲート(WEST)から入るとまずは電光掲示板がお出迎え・・・。お隣にはレストランがあります。このスタジアムは各ゲートからの行き来が自由なのでどのチケットを持っている人もレストランは使えます。ちょっと高そうだったので今回はパス・・・。

ビックアイビックアイ

スタジアムは2層になっているので、2階席には階段で向かいます。2階席はメインスタンド(WEST)とバックスタンド(EAST)だけなので、階段はこのゲート付近にのみあります。この階段がなかなか豪華・・・。宝塚の劇に出てきそうな階段です。

ビックアイビックアイ

車椅子などで階段が利用できない人は、ちゃんとエレベータがあります。これもメイン、バック両方に付いています。

電話機も設置されていますが、電話機のサインだけあって実際に電話が配置されていないところもあります。いつ付くのでしょうか・・・?最も携帯電話、PHSともに使えますので安心と言えば、安心ですが・・・。

ビックアイビックアイ

さらに、救護室も完備しています。もちろんスタンド内でサッカーする人はいませんから・・・。そして今回も恒例のトイレチェックです。男女別はもちろん、ここも多目的トイレ完備されています。

ビックアイビックアイ

ビックアイビックアイ

ビックアイビックアイ

ビックアイビックアイ

ビックアイビックアイ

さてさて、場内のゴミ箱も見ておきましょう。基本的に分別です。入場時は持ち物に関しては全くノーチェック。ビンカン類は見せびらかして入らない限り何も言われません。

となると当然問題になるのはゴミ・・・。ここではゴミ箱の他入場口にゴミ袋が張り付けてあります。もちろんこのゴミ袋も分別・・・。

ビックアイビックアイ

さてさて、フラフラしてしまったので、そろそろ会場内を見てみましょう。入場口から入ります。入場口は以外に広くて通りやすいです。

でも中の通路は非常に狭い。さらに階段は急傾斜で狭くて対面通行はできません・・・。

ビックアイビックアイ

ちなみにゴール裏は以外とフラットで広くなっています。

ビックアイビックアイ

このスタジアムは本来陸上競技場ですが、サッカーを行うときに観客席数を多く取るため、前方の一部のシートは可動式になっています。

さらにメインスタンドはカップホルダー付きの立派なシートですが、その他のシートは小さめでカップホルダーなどはありません。

ビックアイビックアイ

ビックアイビックアイ

メインスタンドは肘掛けまであるゴウジャスタイプです。

場内の表示板ですが、片方はオーロラビジョン、片方は電光掲示のみというタイプになっています。

ビックアイビックアイ

そして、このスタジアムの最大の呼び物の天井カメラです。ドームの鉄骨に移動式のカメラを取り付け、なんとここから試合を中継できるのです。オフサイドが一目瞭然。主審にとってはとんでもないライバルの出現と言えます。

ビックアイビックアイ

何とも、サッカー場の常識を覆す新装備の多いスタジアムでしょうか・・・。


飲食・物販

場内は、先ほど説明したレストランが1店舗です。

これ以外は全て物販となります。まずは飲食品関係ですが、基本的には売店です。スタジアムの中にいくつか売店コーナーがあり、ビールを始めとした飲み物、おにぎり、サンドイッチ、お菓子などが買えます。

ビックアイビックアイ

自販機も充実していて、かなりたくさん数があります。ちなみに全て紙パックでの販売です。

これ以外は全て出店(ワゴン?)販売ですが、テナントとしていくつか有名どころが来ていましたので紹介します。

ビックアイビックアイ

ビックアイビックアイ

どの売店も混雑ぶりはそれほどでもなく、快適に購入できますし、人にぶつかって「ドシャ」ということもありません。

もう一つの物販といえばチームのグッズです。こちらはメイン、バック両スタンドの裏手にあります。どちらも出店ですが、グッズはなかなかの在庫量です。

ビックアイビックアイ

バックスタンドでは、「本日限定オリジナルグッズ」がありました。「限定」という言葉にどうも弱い・・・。買ってしまいました・・・。


感想

どうしても、「日本初のドーム式天然芝競技場」という称号が欲しかったのでしょう。周辺整備はともかく、スタジアム内もまだ、完成というのにはちょっと無理があるようです。

でかいなぁ・・・という印象はあまりなく、こぢんまり・・・とした印象を受けます。これはドーム屋根の特性なのでしょうか?同じドームでも東京ドームは非常に大きいという印象を受けますが・・・。あるいは天井の高さの下限のせいかもしれません。

ドームと言うことでターンゲートがあったり天井にカメラがあったりと斬新なアイデアを多分に取り込んだスタジアムでした。シートがもう少し大きいと座りやすいのですが・・・。

視察記録

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