日本最大のトイレを持つショッピングモール
No.0035
ヴィーナスフォート
視察日時 2001年 1月 20日
到着まで
今日の東京の最高気温は4度らしい・・・。カレンダーでは今日は「大寒」、つまりこの冬最も寒い日ということである。天気予報では夕方から雪らしい・・・。こんな日は「インドア施設に限る!」という非常に怠けた理由で、今回はショッピングモールシリーズ第5段「ビーナスフォート」です。
ビーナスフォートはプレイステーションの超ヒットソフト「ファイナルファンタジー」を生み出したスクエア社の元総帥「宮本雅史」氏のプロデュースした施設で、小生の尊敬する大前研一氏も参画して作られた施設である。全天候の屋根付きの施設内は、屋根にライティングを施し、約15分間隔で昼と夜を繰り返す。「ビーナス」の名前が示すとおり、ターゲットは女性(大前氏曰く「銀座や数寄屋橋あたりで買い物を楽しむ人たち・・・」)をターゲットにしている。女性のための「テーマパーク」である。こんなところに男一人で・・・と思うところではあるがこうした場所を見ておくことが、後々一人になるなるために必要なのである、と無理矢理納得して向かう。
場所はお台場、パレットタウンがすぐ隣にある好立地である。今日は寒い性もあり人出はそこそこ・・・と言った感じでしょうか。但し空いてはいません。
小生の住まいからは車で約30分。残念ながらビーナスフォートのオフィシャル駐車場(なのか?)であるウエストゲートは満車のため、道路の対面にある青海駐車場を利用する。1日1500円で、時間内は何時間でもOK!土地に余裕があるお台場ならではのなせる技である。この場所からビーナスフォートにはいるには、正面ではなく裏口になる。駐輪場を兼ねている裏口から、「こっそり・・・」侵入??
裏側は正面の豪華さは無く、どちらかというと地方のスーパーの入口のような雰囲気です。無料施設ですから文句はないですが・・・。
一度中に入ってから、正面に回ってみましょう。
ビーナスフォートは3階建の2階と3階になります。但し、ビーナスレストルーム(後述)のみが1階まで進出しています。2階、3階どちらからも入れますが、やっぱり正面玄関といえるのは2階になります。
中のライティングに影響を与えないように、ゲートの正面には覆いがあります。ここには今日の催しと営業時間などの情報が掲示されています。
中にはいると、警備員の服装の方がおりますが、悪い人を捕まえるのではなく、出口案内の業務をこなしています。後で話しますが、出口が結構わかりづらいんです・・・。
ついでですから、3階の入口もご紹介しましょう。3階はゲートと言うより、ちょっと外の空気が吸いたい・・・という人向けのゲートです。
3階のゲートは、2重になっています。しかもガラスには黒のスモークが貼ってあります。当然これも光が漏れないための配慮です。つまりこの施設「太陽光」を嫌う施設なのです(ってコウモリじゃないんだから・・・)。
それでは中に入ってみましょう!
内部の構成
○○エリアという明確な区分がない代わりに、場内の通路は非常に複雑です。当然街を意識している構成なので、場内の各所に「広場」がある以外は、エリアやゾーン分けは存在しません。
大前氏の本によると、あえてこうしたわかりづらい動線を引くことで、何回来ても新鮮な雰囲気を味わえ、さらに中での滞留時間も上がるという効果を狙っているそうです。
まぁそんな中でも、目立った「広場」もありますので、ここからご紹介しましょう。ちなみに広場は全て2階部分に集中しています。
噴水広場
中央に大きな噴水のある広場です。噴水と言うよりは池に近い感じなんですが・・・。よくイタリアの観光ガイドにあるようなイメージです。池には、お賽銭が投げ込まれています。
また、定期的に場内のライティングが夜モードになるので、この時間にお賽銭を投げて、願い事を叶えましょう。というイベントが行われていました。
アテンダントクルー(以下クルーと略します)がお客さんに説明しながら、小銭を投げて、お祈り・・・。願いは叶うのでしょうか?それよりも不思議なのは、池にある「ビーナス像」に向かって小銭を投げた後、柏手打ってる人・・・。オイ、オイ、なんか変じゃない??クルーの方は「手を組んで、胸に引き寄せるんですよ!」とやってるんですが、中にはお金を投げると「パン・パン」が習慣の方もいるようで・・・。この点は無宗教大国日本ならではの光景でしょう。
こうしたイベントの時以外でも、クルーの方々は活躍しておられます。カメラ片手に写真を撮ろうとしている人には、積極的にフォトサービス!パンフレットにもお気軽にどうぞ!って書いてあるからなおさらでしょうか?
ちなみにカメラ片手でも一人で来ている人にはあまり声をかけてくれません・・・。私のことです・・・。
オリーブ広場
こっちは特にあれこれ仕掛けはありません。ここはテレビで悪役が刑事を巻いてしまう場面に出て来そうな雰囲気です・・・。真ん中に紋章のようなマークがありますが、この真ん中に立って、Bボタンを押すと秘密の地下への階段が・・・ある訳無いって・・・。
教会広場
ここがビーナスフォートの代名詞のような場所です。施設のドン詰まりにあります。ちなみに先ほどの裏口から入った人はいきなりこの場所に出てきます。
ライティングによっては明るくもなるんですが、やっぱりちょっと薄暗いくらいです。
歩きながらどんどん進むとだんだんそれっぽい雰囲気に包まれてくるから不思議です。ちなみにこの教会、教会の中には入れませんが、教会前で本当の結婚式を挙げられるんです。その名も「ビーナスウェディング」・・・。どんな人が使うんでしょうか?ちなみにゴンドラで降りてくるような仕掛けはないようです(今時そんなの・・・)。
ここでもクルーのフォトサービスは全開です。ちょっと暗くなっちゃったんですが、すっと近寄って、「今日は・・・」とサービスしているシーンもゲットしました。
ちなみに行き止まりですから、ちょっと休憩した人には腰掛けも用意されています。
ちなみにこの教会広場は、天井のライティングを消して、レーザーショーもやっています。
花の広場
2000年の12月にできた広場です。ここは「大人のためのショッピングゾーン」いわゆるちょっとお年の行ってしまった方々のための広場のようです。
ビーナスフォートにしてはちょっと雰囲気の違う明るい広場になっています。その分天井も低いので、広場と言うよりは、大きなお店と言う感じがしますが・・・。
大人のお店という割には、結構若い人が多いんですが・・・。
インフォメーション
広場と言うわけではありませんが、これだけ入り組んだ施設構成だとインフォメーションはとっても重要です。ちなみに場所は2階のゲートは行った正面にあります。奥深く踏み込んでから探すのはとっても大変なんですが・・・
インフォメーションの横には大きな電光MAPとパンフレット入れがあります。
お目当てのお店の場所を探して、みんな真剣です。女性がMAPを見ている間に財布の中身を確認している男性もいましたが・・・(気持ちは分かる・・・?)。
お財布の中身と言えば、キャッシュディスペンサーですが、ちゃんとあります。
あさひ銀行のCD気が2台と、信販系のATM装置があります。お金が足らない人はこちらでご用意を・・・
2階
それでは2階から見てみましょう。ゲートから中にはいると道は二手に分かれます。
どちらから行っても道は途中で一つになるんですが、うまい仕掛けです。なんかとても広く感じるんですから・・・。途中はいろんなところにワゴンがあって、アクセサリーやお菓子なんかを売っています。
ワゴン自体は動かせませんが、通路をじゃまするような雰囲気が無く、場内にうまく溶け込んでいる印象を受けます。ちなみにキャッシャーはクレジットカードも利用できる優れものです。但し、お金を扱うキャッシャーへの注意はあまりクルーはしていないようで、結構無防備なキャッシャーが目に付きます。
途中の広場の近辺では、フォトサービス用のデジタルプリントも行っています。カメラを忘れたり、もっときれいに撮りたい人は、こちらを利用するのも手ですね。
場内は所々に案内サインがあります。
見てもどこ行きなのかはちょっとわかりませんが、とりあえずは雰囲気作りと言った感じでしょうか?
ちなみに通路の中央はベンチが置いてあり、ワゴンとベンチで中央分離帯を造っています。これは、良いアイデアです。「こっち通れ!」という強制では無いものの、何となくみなさん行きと帰りで別れていますから・・・
さて歩いていて思うのですが、あっちこっちから「おいしそうな匂い」がします。場内は物販と飲食が均等に配置されていますが、どのお店も匂いを外に出しています。屋内の施設は匂いがこもるのが弱点の一つと言われますが、こうした匂いならOK!でしょう。ちなみに飲食店舗は半分くらいの入りでしょうか?混んでるところもありますが、座れるお店もあります。イクスピアリの時と違い、安心できます。
物販施設もいわゆるOutlet中心ではないので、値段もそこそこのようです。中には「グッチ」など小生でも知ってるような高級ブランドのお店もありますので、監視カメラもかなり目に付きます(というよりそういうところに目がいく自分は何者・・・?)
壁際に結構たくさん配置されていて、ほぼフロア全体をカバーできるのでは無いでしょうか。モニターの向こうで、「変なのが来たぞ!」なんて言われてるのでしょうか?
3階
3階は2階の建物の2階部分というイメージです。いわゆる小窓から街を見下ろす雰囲気になっています。
当然通路は2階に比べると非常に狭くなっています。さすがに「小路のフロア」と言うだけあります。
メインストリートをちょっと離れて穴場のお店発見!というイメージを狙っているような感じです。この3階にはちょっとリラックスできる喫煙場所があります。
タバコとジュースの自販機があります。但し周囲の雰囲気を考慮して、自販機は目立たない方向に設置されています。
タバコを吸う人にも配慮があるのは非常にありがたいことです。ちゃんと排煙機も天井にあります。
そして、買った服の裾上げ調整も3階にあります。
買った服はここでサイズを調整してくれるようです。ちょっとわかり辛い場所なので、よく調べていって下さい。
2階をふらついて、3階も散策してみると、だんだん施設の作りがわかってきます。2階のフロアを見ながら食事をとったり、
2階のフロアを眺めて、語り合う・・・
そんなポイントが随所に用意されている3階です。やっぱり一人は寂しい・・・。
ビーナスレストルーム
いろんな施設を視察してきましたが、トイレだけで一項目取れるのはビーナスフォートくらいでは無いでしょうか?そうなんです。ビーナスフォートには女性用64個の個数を有する400㎡のトイレスペースがあります。これが「ビーナスレストルーム」です。女性がショッピング前に行うことで最も多いのがトイレで、そこからヒントを得て作られたそうです。
何でも当初の計画では100個女性専用を作る計画だったそうで、64個になってしまったので大前氏の採点は64点なんだそうです(大前研一・宮本雅史共著「感動経営学」参照)。
確かにでかいです。こんなに主張の強いトイレは見たことがありません。
ちなみに女性用は視察できないので、とりあえず男性用でご容赦下さい。洗面台はとても清潔そうです。
ちゃんとエアータオルもあります。
トイレの中には車椅子の方用のトイレもあります。ドアは自動ドアです。ボタンも大きくて操作しやすいように配慮されています。
肝心な便器類ですが、こちらもきれいで、間隔もやや広め、「お隣さんのは・・・」なんて覗かれる心配もありません??
トイレ以外には授乳室もあります。男子禁制とは書いてありませんが、ちょっと勇気が足らなくて中までは・・・
これだけ大きなトイレがあるので、ビーナスフォート内はトイレのサインに関してあまり親切ではありません。但し、他のトイレも決して手を抜いているわけではありません。清潔だし、快適です。
感想
実はビーナスフォートに来たのは2回目です。始めてきたときは時間が余り無くて「視察」というより「見物」で終わってしまいました。しかし何度見てもビーナスレストルームは感心します。だって人に物を売ったり、食べ物を食べてもらう施設を作るために必要な物は・・・?って考えて、出てきた答えが「トイレの充実」・・・。う~ん、素晴らしい視野の広さじゃないですか?
物販のお店は、Outletではないので、ちょっと値段は高めです。やはりこのご時世この点はきついようで、「SALE」の札を掲げるお店が多くなっていました。
飲食のお店に関しては「匂い」で売っているようですねぇ・・・。お目当ての商品が高くて手が出ない人が多いようで、その分、飲食はよく人が入っているようです。確かにオープン当初の大盛況ぶりからは一段落していますが、まだまだどうして・・・と言った感じでしょうか?
屋内施設では五感を利用する。「味覚」まで利用した施設構成・・・いやいや恐れ入りました。
さぁではお隣の「MEGA-WEB」も行ってみましょうか!と言うわけで外に出ると・・・雪・・・あちゃぁ・・・今日はおしまい!