(天然)エレクトリカルパレード・・・in臼杵
NO.299
臼杵竹宵祭り
視察日時 2009年11月 7日
到着まで
地方都市に住むようになってからいつかは行きたいなと思っていたのが「お祭り」です。
実家が新興住宅地にあったこともあり、何か歴史的な故事にちなんで始まったようなお祭りがなくて、夏になると盆踊り大会くらいでした。
今は、秋口に入ると自分の住んでいる周辺でもお祭りが多くなってきます。
収穫の秋にちなんでのことなのかもしれませんが、仕事場で良い情報をいただきました。
「臼杵竹宵祭り」。なんでも街中で輪切りの竹にろうそくを乗せてライトアップさせるという何とも幻想的なお祭りらしいのです。
まぁ話を聞くよりは実物を見た方が良いだろう。。。といつもの調子で車を飛ばして臼杵までやってきました。
自宅からは1時間くらいでしょうか?週末のETCは結構重宝します
市街に入ろうと思ったら、途中の国道でお祭りのはっぴを来た人が車を呼び込み、どんどん誘導しているのを発見しました。
「パーク&ライド」システムがあるんですねぇ。。。なかなか進んでいます。
さて、車は駐めたのですがここから乗るべきバスの停留所を見ると。。。orz。。。
1時間くらいはここで待たなければバスに乗れないような雰囲気です。
夕日も西にかなり傾きかけており、下手すると夜までここにいるのかも?
ちょっと心配になり携帯電話のGPSアプリで、市街までの距離の測ってみると2キロ程度。単純計算で歩いてみれば30分。待った上にバスに乗って渋滞にはまるよりはましだろうということで、徒歩で市街に向かいました。
考えてみると、テーマパークや遊園地でも歩いて駐車場を回っているのだから今回は町全体がテーマパークと思えばなんてことはありませんね。。。と言い訳。。。
でも、歩いてみるもんですね。
街中のあちこちにサインがあったり、小さなお寺の一角で早くも輪切りの竹を発見。これは「竹ぼんぼり」というそうです。WEBサイトで知りました。
WEBで見るのと本物とはやはり大違い。よく見ると輪切りの竹の中に水を張ってその上にロウソクが乗っかっているんですね。だから微妙な風や振動で炎が揺らめいて非常にきれいです。
竹ぼんぼりの原理がわかったところあたりから、街中に入ってきたようで、道路の両端には竹ぼんぼりが増えてきました。
そしてちょっと大きな交差点に着いたところで、いよいよ臼杵の市街に入ってきました。
どうやらこのあたりがバスの到着地点のようで、竹宵祭りのパンフレットなんかも置いてあります。WEBサイトといいパンフレットといい、もはやこのお祭りテーマパーク並みの運営方法です。
臼杵竹宵祭りって
一応WEBサイトも見たんですが、パンフレットで改めてお祭りのバックストーリーを確認。こんなお話なのです。
===============================以下引用===============================
真名長者は名を小五郎といい、その妻は玉津姫と言いました。
また、二人のあいだに生まれた娘は般若姫と言いその美しさと気品は世間の評判となっていました。 般若姫の噂を聞いた時の朝廷は、姫を妃として都へ差し出すように使者を遣わしますが、長者は一人娘という理由でこれを拒み、代わりに姫の姿を書き写した「玉絵箱」を献上しました。
ところが、献上された玉絵箱を見て恋に落ちた若者がおりました。それは、後の用明天皇、当時は橘の豊日の皇子でした。
皇子は姫に逢うため草深い臼杵に下り、牛飼いに身をやつして長者のもとに身を寄せ、やがて姫と結ばれました。
二人は幸せな時を過ごしますが、朝廷に呼び戻され懐妊していた姫を残して都へと帰っていきました。
しばらくして姫は玉絵姫というかわいい女の子を出産します。
そして、般若姫は生まれたばかりの玉絵姫を残し、皇子の待つ都を目指して臼杵の港から船出します。ところが、途中嵐に遭い、般若姫は帰らぬ人となってしまいます。
悲しんだ長者夫婦は、姫の供養のため玉絵箱の里帰りを願い出て、朝廷もこれを許されました。
亡き般若姫の姿を描いた「玉絵箱」は長者夫妻にとっては娘、玉絵姫にとっては母そのものだったのでした。
暮れ早い秋の陽はとっぷりと暮れ、里人たちは竹に明かりを灯して暗くなった夜道を明るくしました。
その中を都からの勅使や玉絵箱を捧げ持った長者たちが館を目指して歩いてゆきます。
うすき竹宵は、長者夫妻と玉絵姫が待つ臼杵へ都から「玉絵箱」とともに帰ってきた般若姫の御霊の里帰りしたという伝説を再現したものです。
ほのかな竹ぼんぼりのあかりが灯るなか、小五郎、玉津姫、玉絵姫、そして大勢の里人たちが待ち受ける中、臼杵の港に都から「玉絵箱」と般若姫の御霊を載せた船が到着いたします・・・。
===============================引用おわり===============================
この用明天皇はあの聖徳太子のお父さん。般若姫も都にたどり着けたら歴史が全く変わっていたかもしれなかったんですねぇ。。。
街中の雰囲気
さて臼杵竹宵祭りは市街全体で行うのですが、時間も限られているのでパレードのルートに沿って見ることにしました。パンフレットの地図を頼りに街中を回ってみました。
竹ぼんぼりもきれいなんですが、なんとこの般若姫が街中を練り歩くパレードもあるのです。まぁ「エレクトリカルパレード in 臼杵」という感じでしょうか?
臼杵という街はいわゆる「レトロ」な雰囲気をとても大事にしている街です。
江戸時代末期から明治時代にかけての建物を現在もそのまま利用している商店がたくさんあり、いわゆるシャッターがあるようなお店が非常に少ないのです。
今日はもちろん夜でも開いているお店がほとんどですが、着物屋さんや和装用のアクセサリー屋さんが並んでいるような商店街は、あまり見かけないですよね。。。
そんなお店も楽しいのですが、今日の主役は竹の明かり。
広場になっている場所は、ほとんどがこの竹の明かりの作品展示場になっています。
まぁ説明するよりは、写真で見てもらった方がわかりやすいかな?
こうした作品は近所の学校の児童だったり、お寺の住職だったり、街中総出で制作しているようです。気合いが入っていますね。
これだけ回るだけでも十分に2時間くらいかかってしまいました。
般若姫登場!!
会場全体を仕切る総合案内所といわれる場所があり、この周辺がフードコートにもなっているので、せっかくのパレードはここで見ることにしました。
20時頃と聞いていたのですが、どこから来るのか?わからずキョロキョロ。。。
そのうち通路の周辺に人が集まり始めて、どうやらこの通路を通るらしいことが確認できました。偶然にも見やすい場所にいたらしいのです。このあたりはまさに300戦錬磨の経験と勘のなせる技です(と自画自賛。。。)
そして、警備員らしきはっぴを来た人が「来ますよ!!」と声をかけたあたりから皆さんカメラ片手に殺気立ってきました。
そして、いよいよパレードが到着。
まずは雅楽の楽団が先導、続いていよいよお姫様が登場。。。
と思ったら。。あれ??3人??
どうやらこの物語の主人公の般若姫とその娘、その母親という設定のようでした。
しかし。。どれが般若姫??写真を撮ったり、考えたり。。。なかなか慌ただしい状態でパレードが進んできました。
まぁせっかくなので深いことは考えないで、とにかく写真に撮ってみました。
。。。来年は夜景に強いデジカメを使おう。。。
時間にして5分もかからないあっという間でしたが、歓声と皆さんの満足げな顔が非常に印象的なパレードです。
っで、これで終わりかと思っていたら。。。動いた方角がラッキーでした。
なんとパレードの終着点で再度パレードのフィナーレを見ることができました。
バックストーリーを語り部の方が切々と話し始めたところに、先ほどのパレードが到着。
3人の姫様が門の前に並んでフォトサービスタイム(?)。
またまた、偶然にも正面に陣取ることができまして、写真も撮れました。
ここでも思う。。。来年は夜景に強いデジカメを使おう。。。
やっぱり、食べ物大事でしょう
このお祭り、食べ物はとっても充実しています。
総合案内所の前と武家屋敷といわれる名所の横に大きなフードコートを設置。
ラーメン、お好み焼き、たこ焼きとお祭りの定番アイテムのほか、牛串、豚串など大分ならでは食材を使ったお店もたくさん。
お腹にもとっても優しい(&お財布にとっても厳しい。。。)お祭りです。
でも、残念なのが臼杵名物のフグがどこにもない。。。
屋台でもいいから寿司屋があれば。。。儲かると思うんですけどねぇ。。。
もちろんアルコール類をはじめとしたドリンク類も充実。
車で来たことを非常に後悔してしまいました。。。
感想
街中あげての催しで、お祭りという規模を超えたかなりの大イベントです。道路を封鎖して(夜は封鎖しなくても車の通りがないらしいが。。。)街中を練り歩くパレード。
地方の祭りはやはりスケールが大きいですねぇ。。。しかもこの準備は夏頃に竹を伐採するところから始まるそうです。
生活が文化的になればなるほど、暗い場所とは縁遠くなるものですが、竹ぼんぼりを目立たせるために、周辺は外灯を消すなどかなりこの日のために特別なこともしているようです。こうした暗さと自然の明かりで街をライトアップする。。。ある意味斬新ですね。
これからの季節はクリスマスにちなんでのイルミネーションなどが多くなる時期。
こんなライトアップ方式もあるんだなぁ。。。という発見がありました。
追加「臼杵石仏」
臼杵に来たらこれを見なければ話になりません。
国宝にも指定されている臼杵の石仏。
市街からは4キロくらい離れた場所でしょうか?平安時代に作られたものといわれているようですが、天然石に掘られた仏像が今でも残っているというのは凄いことです。
見学するには、駐車場横にあるチケット売り場で観覧券を購入します。
駐車場は無料ですが、混雑する日はちょっと不安な台数ですので、混みそうな日はお早めに出かけることをおすすめします。
チケットを買うと、ここから普通の散策道路をお土産屋などを見ながら進んでいきます。
チケットをもぎる場所がちょっと離れていて、しかも目立たない場所にあるから要注意。
まぁ、遠目で良ければお金を払わなくても見えそうな感じもしますが、神仏を拝むときくらいはちゃんとお金は払いましょう。
チケットをもぎってもらったら、そのまま順路に沿って進んでいきます。
仏様のエリアは全部で4カ所。途中は階段やスロープはありますが、かなりのアップダウンがあります。
拝観場所には無料で聞ける音声ガイダンス装置があります。
そして、ボランティアの人もたくさんいますので、この人たちのマニアックな話を含めたありがたいお話を聞いてみるのも一興です。
ちなみに、自分は。。。隣の人にボランティアの人が説明しているのを、所々聞いていました。。。だって、長いんだもん。。。
竹宵に石仏。臼杵の街はいろんな催しがてんこ盛りでしたが、なんといってもこの街で有名なのはふぐ料理。今回は食べることができませんでしたが、臼杵のふぐは日本一の呼び声も高いのです。以前食べたことがあるんですが、美味しくて安い。東京で食べる値段の1/3位でフルコースが食べられました。
ディズニーランドに行って、ヒルズのレストランでセレブな食事。宿泊は最上階フロアから夜景が見下ろせるホテル。。。なんていうのも良いですが、自然と歴史に囲まれた街で過ごすひとときも良いもんですねぇ。。。自分はどちらかというとこっちが好きかな?