ワールドカップスタジアム総点検!?その5
No.0060
カシマスタジアム
視察日時 2001年 6月23日
到着まで
コンフェデレーションカップも終了し、日本は準優勝に終わった。まぁ決勝の相手がフランスで1-0の敗戦なので良しとしましょう。このコンフェデレーションカップで一躍世界に名を売ったのが何を隠そうゴールキーパーの川口。あのスーパーセーブの連発はサッカーになじみのない人でも感銘を受けたはず・・・。その川口が所属のチームではどうも今ひとつ・・・。チームもエースの中村負傷欠場、FW城は絶不調・・・。守りの要小村は故障・・・あげくに監督解任・・・。良いことが何もない今節は、新装なったカシマスタジアムでの「因縁試合」
当然、観戦に行くことに・・・。自宅からは総武線でひたすらカシマスタジアムを目指します。千葉で乗り換え。普段見慣れた通勤電車から徐々に古めかしいローカル電車に姿が変わっていきながら、佐原に到着!
佐原まで順調でしたが、なんとここで2時間の接続待ち・・・。なんたることか・・・国際便のトランジットの状態です。
ところでこの佐原駅の周りには、時間を潰せるものが何もない・・・。結局駅でボォ~っと2時間。やっと鹿島神宮行きの電車に乗れました。佐原から40分かけて、今度は鹿島神宮駅へ・・・。ここでまた電車を乗り換えます。
小さな駅ですが、今日はサッカー観戦客でごった返し・・・。駅の中にはあふれんばかりの人でちょっと危険です。お子さま連れの方はお手を離さないように・・・。いやホントに・・・。
駅を出ようとしてもなかなか、外に出られない・・・。「なぜ??」と思ったら、改札を出ると階段を登るのですが、その両サイドが帰りの切符の発券所。このため階段通路が非常に狭い。
しかも、その通路に臨時の切符販売と称して手売りで切符を売っている。つまり出るに出られない・・・。オイオイなんとかしてくれよ・・・。都心の駅でこんなことしたら、大ヒンシュクでしょう・・・でもそこは、鹿島なのです・・・。全く・・・
悪戦苦闘の20分間。やっと改札を脱出してスタジアムへ!
スタジアムは駅から見えますので道に迷うことはないです。ただスタジアムの入場ゲートによって道が分かれるので、入りたいゲートを注意!看板はありますが・・・。
なんとも、最初から疲れるスタジアムです。道路は舗装されていない砂利道・・・。ワールドカップに向けて整備中と言うことでしたが、ずいぶん前から変わっていないような・・・?
いやはや、家を出てから4時間近く・・・やっと着きました。これじゃ名古屋の方が近いのでは・・・?
スタジアムの周囲
スタジアムの周りには、お店らしいものは何もありません・・・。コンビニなんてとんでもない・・・とにかく「店」は何もありません。
唯一食料が供給できるのがスタジアムの隣にあるホールのレストラン・・・。食料・飲料は到着までに確保しておきましょう。
スタジアムのゲートへのサインは、スタジアムの周囲にあるバナーを注目すると良いでしょう。ゲートの番号と色が示してありますので、これを辿れば非常に明快!この辺はワールドカップ仕様になっています・・・確かに・・・。
入場ゲートは全部で7箇所あります。それぞれ色と数字が書かれていますので、わかりやすくなっています。
ゲートの中でも「3ゲート」はアウェイチーム専用のゲートで、ここから入ると、場内の他のエリアには行けません。海外では当たり前ですが、ここでこんな処置が必要なのかどうか??
ゲートの前では、荷物の検査がおこわなれてその後にチケットをもぎられます。この荷物検査はかなりルーズ・・・。ホーム側のゲートから入ると特にその傾向は強いようで・・・
もちろん、場内には持ち込み禁止品もあり、ビン、カン類は移し替えが必要になります。
さて、カシマスタジアムと言えば改装前はチケットが手に入りにくいので有名なスタジアムでした。しかし人口6万程度の街に、4万人オーバーのスタジアムですから、当然チケットの売り切れにはなりません。
当日券はスタジアムの周り2箇所で発売されています。今日はアウェイ側のチケット売場だけが開いていました。
キューエリア付きの立派なチケットブースですが、どういう訳かキューエリアは利用されず、チケット売場の外に人が並んでいます・・・。しかも、係員が誘導しています・・・どうして・・・?
さらにスタジアムの周囲はベンチなども、凝っています。電話ボックスもちゃんとあります。フーリガンに壊されないことを祈るばかりの配置ですが・・・。
カシマスタジアムに車で来た人はスタジアムの周囲に点在している駐車場から徒歩となります。近いところも遠いところもあります・・・運頼みの駐車場選択と言えるでしょう・・・。こうした人々が周囲から歩いてきますので、スタジアムの周囲には「テキヤ」さんはたくさん出ています。「やきそば」「お好み焼き」「たこ焼き」と定番品が並びます。この手の食べ物でもOKの人はここで調達しましょう。小生はちょっと・・・。
スタジアムの壁には、ワールドカップ関係のレリーフが飾られています。これはなかなかおしゃれ!でも何のレリーフかは不明・・・。
さて、グルリと回ったので、中に入ってみましょう。
荷物の検査を受けて、チケットをもぎると階段になっています。改装前はこのまま直進したところが入口だったのですが、改装して2層になったので、1階席の最上部まで登ります。
さぁそしてお待たせいたしました。恒例のトイレチェックです。カシマスタジアムのトイレは基本は「階下」です。つまり、1階席のトイレは「地階」。2階席のトイレは「1.5階(1階の最上部)」です。
さぁ、中に進みましょう!
スタジアムの内部
スタジアムの内部は2層式になっています。階段を登った時点で1階の最上部の高さになっています。1階席で見る人は内部で、階段を降りていくことになります。
場内は色で区分けされているのに加えて、座席のエリアもアルファベットで区分してあるため、非常にわかりやすいです。
アルファベットで、「A」から「Z」までの26区分されているので、まぁこれならワールドカップのときでも問題はなさそうです。
車椅子で来場される方のために、エレベータも完備しています。こちらは係員の許可を得て利用しましょう。
さて、先ほどのアウェイ専用の入口ですが、このスタジアムはアウェイのチームを異様なほどに警戒するようです。まずは1階の通路ではアウェイ側には行けないように完全にフェンスで遮断しています。
しかも、このフェンスからの進入路以外は、完全に縁切りがされていて他のエリアからは行けないようになっています。ここまでする必要は・・・?
ちなみに「アウェイ側に行きたい」というと「すいません、規制がかかっていて・・・」と返事。「かかっていて、じゃなくて自分たちでかけているのでは?」と訪ねると、「・・・すいません・・・」。別にアウェイのチームの応援者だって人間なんだから・・・。
気を取り直して、視察を進めましょう。1階と2階は通路も広くて歩くのには問題ありません。
通路の外側はベンチになっていて、喫煙所も兼ねています。これはなかなか良いアイデアです。
場内の所々に、壁面に備え付けのゴミ箱があります。それ以外は置き式のゴミ箱があります。いつも思いますが、ここでもやはり「ペットボトル」と「ビン、カン」の分別が・・・持ち込み禁止のはずなのに・・・
それでは、スタジアムの中を見てみましょう。
座席は全て個別シートです。1階は場内は4ブロックに別れていますが、メインスタンドが赤、バックスタンドが青、ゴール裏が白のシートになっています。
続いて、2階席ですが2階に行くためには階段を登ります。これがなかなか急勾配。
2階席も各部ロックの色分けとアルファベットが振られているゲートがあります。1階と同様ですが、これは確かに便利・・・くどいけど・・・
2階席は、今回の改装で新しく作られたので、シートも新品。しかも1階席に比べて背もたれが高くて座りやすい・・・。観戦には2階席がお奨めです。
ちなみに目線はこんな感じです
カシマスタジアムはサッカー専用のスタジアムのなので、客席とグランドの距離が非常に近くどの場所でもよく見えます。ちなみに2階席の勾配は1階席よりさらにあるので、危険防止のためでしょうか?2階席の前部は利用できないようになっています。ワールドカップのときは大丈夫?
物販・飲食
カシマスタジアムは、業者による運営を行っていません。警備などの専門職の一部以外は基本的にはボランティアで行われています。
物販や飲食も地域の商工会の出店となっていて、なんとなく物産展のイメージです
売っているものは、飲食関係が多く、これ以外ではおなじみのグッズです。相変わらず興味がない・・・。
この他で目に付いたのは、「ソシオ」会員の受付です。ソシオとはヨーロッパのクラブチームでよく見られますが、要はチームに出資している人たちを言います。アントラーズはどのように実践しているかわかりませんが、ソシオになると帽子がもらえるようです。
この他では、次節以降のチケットの販売。最近はこうしてスタジアム内で販売するところが増えてきました。もちろん、町中で買うよりちょっとお得です。
こうした、ショップで悪さをする人が出ないように、警察の控え室もありますので・・・。
感想
カシマスタジアムは、チームと地域住民が一帯となって運営していることがよくわかります。物販施設を始め、チケットもぎり、会場案内、場内案内全てボランティアが行っています。
サッカーで街興しというコンセプトは非常に高く評価できます。でも、問題が全くないわけではありません。
端的な例が「アウェイチーム」の隔離政策。サッカー場でチームのサポーター同士が衝突することを未然に防ぐためと言っていますが、その途中はどうなんでしょうか?同じ道を通り、同じバス、同じ電車でやってくるわけです。それがスタジアムの中だけ「隔離」されるのはどうも納得がいきません。
やるのであれば海外のように徹底的にやるべきで、こうした中途半端に実施するのは海外のチームの「模倣」にしか見えません。本来サッカーは見る人同士が争うためのスポーツではなく、見る人が仲間になっていくためのスポーツです。
どうも、鹿島の人はこの点をはき違えている人が多いように感じてなりません。
茨城県立カシマサッカースタジアムは、茨城県鹿嶋市にあるサッカー専用スタジアム。日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟する鹿島アントラーズがホームスタジアムとして使用しており、その運営会社である株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーが指定管理者として運営管理を行っている。
TEL | 0299-84-6622 |
住所 | 〒314-0007 茨城県鹿嶋市神向寺後山26−2 |
URL | https://www.antlers.co.jp/kashima-stadium/ |
アクセス | 鹿島臨海鉄道 鹿島サッカースタジアム駅正面 |
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天気予報(ハリテンより)
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