ワールドカップスタジアム総点検!?その7
No.084
札幌ドーム
視察日時 2001年 9月 15日
到着まで
自然とのコミュニケーションや共生の重要さを教えてくれた円山動物園を後にして、自然の厳しさに挑戦しようとしている施設に向かいます・・・と言うと言い過ぎですが、2002年のワールドカップの日本での会場の一つ札幌ドームです。
今までドームスタジアムと言うと日が当たらずに芝の養生が進まなかったり、人工芝でないとダメなどの制約がありましたが、ここはこれらの難題を画期的な方法でクリアしました。
なんと天然芝のグランドが動くのです。グランドが台に乗っかっていて、これを必要なときに動かしてドームの中に入れてしまおうというのですから恐れ入ります。
そんなこんなでおそらく来年の目玉の一つになるでしょう。札幌ドームへは地下鉄の東豊線の福住駅(終点です)から向かいます。札幌からは「大通り駅」に出てここから約15分です。ワールドカップ開催会場の中では屈指のアクセスの良さです。
福住駅では、札幌ドームはこちらという案内に沿って歩きましょう。駅の構内はかなり狭いです。万人単位の人が一気に押し寄せたらパニックになるのは必至ですから、帰りの切符は必ず買っておきましょう。
駅を出ると国道に出ますが、もう眼下に札幌ドームが見えてきます。なんという近さ、そしてなんという安心感・・・。地方でこれほどのアクセス良いスタジアムは・・・。
感慨に耽るまもなく人混みにもまれながらドームに向かいます。ドームの手前には歩道橋があり、これを昇ってドームの入口に向かいます。内部は複雑なようで案内看板も出ていますので、心配な人は確認しておきましょう。
場内はどうやら2箇所の入口に別れているようです。「南ゲート」「北ゲート」です。「北ゲート」はホームチーム応援側で、南ゲートはアウェイチームの応援側です。
ここのホームチームはもちろん「コンサドーレ札幌」ですから、札幌を応援したい人は、北ゲートから入りましょう。
ゲートに着く前にはショップや今日の試合の告知があります。
今日の試合は、「コンサドーレ札幌VS清水エスパルス」です。前回はエコパで見たエスパルスでしたが、今日はどうでしょうか・・・?別にエスパルスファンではないのですが・・・。
札幌ドームは丘の上にあります。グルリと場内を一周してみるとその大きさにはやはり圧倒されます。ドームの壁面には世界の首都の方位を示す文字があります。しかしガラス面の内側に書かれているので、外から見ると鏡に映った文字を見ているようで・・・しかも内側はブラインドで内側から見えない・・・一体何のために・・・。
南ゲート側に来ると、広大な駐車場が見えてきます。やはり北海道・・・。広いですねぇ・・・。
さてこのドームの最大の特徴である。ホバリングシステムですがもちろん今日はサッカーの試合の日なのですでにピッチはドームの中に収納済みです。その空いたスペースは団体バスの駐車場となっています。これはアイデア。空間の有効利用と言えるでしょう。しかし、凄い数の団体バスです。まさか全部清水からとは思えませんが・・・。
さらにはサブグランドもあります。さすがに総工費400億円です。土地の取得だけで100億以上ですからねぇ・・・。やるもんだ・・・。
さてグルリと回ってきたのですが、南ゲートが見あたりません。実は南ゲートに行くときにはドーム沿いに歩いてから、一段降りなければ行けなかったようです。
来た道を戻りながら探しているとありました。
記念写真を撮る方もおられますが、その脇から入場です。入場時はまず手荷物の検査を受けます。もちろん怪しいものは何もありませんが、ドームスタジアムはどこでもこの手のチェックは厳重です。確かに密室ですからねぇ・・・。
そして荷物のチェックを受けた後に、いよいよ改札です。やっと中に入れました。
場内の構成
中に入ってまずビックリしたのが、通路の広さです。天井までは吹き抜けのようになっているところもあり、何とも豪華なドームです。
屋内施設では何かと喫煙所が問題になりますが、札幌ドームでは喫煙はガラス張りの喫煙コーナーの中のみで許されています。当然中は紫煙がモクモク・・・。これじゃ煙草吸う気にはなれませんね!
さて場内を回りましょう。場内はすり鉢状の1層式のスタジアムです。基本的には野球のスタジアムのようで、サッカーの試合のためと言う感じには見えません。でもワールドカップのために作った施設です、念のため。
出入り口は2箇所ですが、場内は4つ料金のブロックに別れています。バックスタンドとメインスタンドに当たる部分はさらに2つに別れ、全部で6つのブロックから構成されています。
多目的に使われるため、サッカー会場のときには一部のブロックの区分は仮設のパーテーションが利用されています。さらに、場内には車椅子利用者のためのエリアとエレベータもあります。エレベータはストリップタイプのデラックスなエレベーターです。
場内の座席の最後部にはガラスの衝立があります。もちろん強化ガラスなんでしょうが、ちょっと不安・・・一番後ろは避けた方が良いかも・・・。
また、今日のような試合のある日以外にはドームツアーも実施されており、ドームの最後部に行けるようなエスカレーターもついています。しかもこのエスカレーターが剥きだし!!
場内グルリと回りましたが、さすがに円形の配置なので、どこから見てもよく見えます。傾斜もそこそこですから見にくいと言う場所はありません。
ちなみにシートはカップホルダー付きのシートです。座りごごちもGOODですし、前の座席との間隔も良く取れていて、足が前にぶつかったりしません。
そして、電光掲示板ですが、ゴール裏とバックスタンドの中間当たりに一つ、メインスタンドとゴール裏の間に小さなサブ掲示板が一つと二つあります。この設置は野球を意識してのものかもしれません。明るくて見やすいですよ!!
さぁそして新装なったスタジアムのトイレのチェックです。札幌ドームで最大の弱点はこのトイレです。トイレは最下層部にあるので、ドームの上の方の座席に座った方は、大移動になります。飲むのを我慢するか、トイレを我慢するか?まさに究極の選択です!?
忘れてました。ピッチをスタンドから見ると、こんな感じです。
物販・飲食
飲食から見てみましょう。
北海道は食の宝庫・・・なのかどうかは知りませんが、このドームとにかく飲食施設は豊富です。しかも名店が並んでいます。味は保証できますね。
大きく分けて、ドーム内のショップとドーム外のレストランと2種類に分かれます。
場内にはモスバーガーもあるのですが、ここで注文を受けてから作っていたら大変なことになるような気がしますが・・・。
こうした常設のお店以外は、ワゴンが出ています。ワゴンはかなりの台数があります。しかもビールにおつまみ、サンドイッチなど家族で行った人も一通りの食べ物は揃います。
そして忘れては行けません。ドームと言えばビールの売り子さんです。さすが札幌です。当地限定の「サッポロクラッシック」をドームで飲めるのはここだけです。
さてスタジアムの外ですが、こちらは試合後や試合までのひとときの利用を考えているのでしょうか?最も試合後は大混雑でとても店には入れませんでしたが・・・。
場外のレストランは北ゲートの付近に集中しています。
場内のワゴンではグッズも売っています。これ以外では場外に仮設のグッズショップがあります。相変わらずの興味のなさで通り過ぎてしまいましたが・・・。
ドームの内外ではありませんが、札幌ドームの近くにラーメン屋があります。ここではドームラーメンというメニューがありました。モヤシがドームを意味しているらしいのですが・・・ちょっと理解に苦しむラーメンでした。味はまぁまぁですが・・・。
感想
ドームスタジアムというのはサッカーには向かないと思っていましたが、札幌ドームはなかなかのもんです。見やすさも満点ですし、とにかくでかい。ドームの中にエレベーターやエスカレーターが剥き出しで付けてあったり、ドームinドームなんでしょうか?
とにかく日本のドームスタジアムの中では、今のところNO1ですね。いやほんとに!!
空調も効いているので、涼しくサッカーを見れるというのは何とも贅沢です。同じドームでもビックアイは暑かったからなぁ・・・。
今度は是非、ホバリングシステムの稼働の瞬間を見たいものです。2002年はここになるならまた来れるし・・・チケットが当たってちょっと嬉しい今日この頃・・・。
さてさて、肝心の試合ですがドームの迫力に劣らない好ゲーム。泥臭いけど白熱の一線でした!!
コンサドーレ札幌 VS 清水エスパルス
ここまで4連敗と元気のない札幌に対して、前節マリノスに完勝してチーム状態も上向きのエスパルス。しかもコンサドーレは地元での勝利からしばらく遠のいている危機的状態。
前半からこの差が出た展開になり、開始早々市川のクロスを沢登があたりそこねのシュート。でもこれがなぜかゴールに吸い込まれてしまう。札幌は早くも先制を許す。これがなんと前半10分前・・・。
札幌も反撃に転じようとするが、いかんせん攻撃が単調。播戸の立て突破も中に折り返せずにむなしく時間が過ぎる・・・。
前半はこのまま清水が押し切って終了。このまま行くかなと思っていたら後半は大ヒート!!
まずは後半立ち上がりに、新加入のアダウトが左サイドをオーバーラップして、目の覚めるような強烈なミドル!!確かにマークは甘かったが、あれは取れません。
こうなると清水が慌て出す。何でもないボールをなんとキーパーがキャッチミス。これを目下得点王のウィルが押し込んで、札幌が逆転に成功!!
試合のペースを握りながらも、ミス連発で清水が窮地に追い込まれる。しかしここは自力にまさる清水が大反撃を開始。市川の精度の高いクロスボールが次々に放り込まれる。
札幌も必至に粘るが、ついに後半ロスタイム。横山の起死回生の同点弾で延長になだれ込んだ・・・手元に掴みかけた勝利がスルリと抜ける・・・いやな予感が走る札幌。しかしここで岡ちゃんが大決断。加入したばかりの堀井を播戸に変えて投入。この選手山形でプレーしていたが3日前に来たばかり・・・。
やけくそに見えたこの采配だが、この堀井ポストプレイもうまいし、足下も確かだ。堀井のポストのおかげで、ウィルが自由に動けるようになってきた。そして札幌に大チャンス!!大森が左サイドをウィルとの壁パスで突破!!鋭いセンタリングをニアサイドに・・・。
ここに飛び込んだのが堀井!!ボールはダイレクトでファーサイドのネットを揺らして札幌劇的な逆転勝ち!!しかも今期初勝利!!場内大興奮・・・。
久々にしびれる試合でした。
札幌ドーム(英称: Sapporo Dome)は、日本の北海道札幌市豊平区羊ケ丘にあるドーム球場、ドーム型サッカー場。施設は札幌市が所有し、札幌市と道内財界各社が出資する第三セクター・株式会社札幌ドームが運営管理を行っている。日本で唯一の完全屋内天然芝サッカースタジアムであり、天然芝サッカー場移動方式「ホヴァリングシステム」を世界で初めて採用した。このシステムによりサッカー用天然芝グラウンドと野球用人工芝グラウンドの併用が可能となっている。「第44回BCS賞」・平成114度(2002年)「赤レンガ建築賞」受賞。
TEL | 011-850-1000 |
住所 | 〒062-0045 北海道札幌市豊平区羊ケ丘1 |
URL | https://www.sapporo-dome.co.jp/ |
アクセス | 札幌市営地下鉄 東豊線 福住駅3番出口より徒歩10分 |
地図(GoogleMAP)
天気予報(ハリテンより)
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