ワールドカップスタジアム総点検!?その6
No.0080
静岡スタジアム「エコパ」
視察日時 2001年 9月 1日
到着まで
今日はJリーグはお休みですが、延期された1試合が行われます。世界クラブ選手権の出場予定だったジュビロ磐田と清水エスパルスの「静岡ダービー」です。
Jリーグ開始当初はダービーもたくさんあったのですが、今最も盛り上がるダービーマッチはこの試合と言っても良いでしょう。もともとダービーとは同じスタジアムを本拠地荷物チーム同士の試合なのですが、いつの間にか同じ街、同じ地域、同じ県と拡大解釈されてきています。同じ国になったら日本全国ダービーだらけ・・・ってなバカなことはないのですが・・・。
さてこのダービーが行われる静岡スタジアム「エコパ」は来年のワールドカップの会場でもあります。今年の5月にこけら落としされたスタジアムです。
場所は静岡県の掛川から一つ浜松によった「愛野」駅が最寄り駅。この駅もエコパの完成に伴ってできあがった新しい駅です。地方都市というと車でのアクセスが中心になりやすい中、こうした電車の駅まで新設してしまった静岡県のサッカーに関する情熱は評価しましょう。
愛野駅は小さな駅ですが、このスタジアムの収容人数約5万人を捌ききるために、試合終了後は2箇所あるホームの入口を上下線で区分して使います。ちなみに上りはスタジアムとは反対側の入口を使うため、ホームの周りをグルリと一周・・・。
駅の前にはエコパのシートと同じシートが飾られていて記念撮影もできます。
さらに、臨時の券売機もありますが、なんとこちらの券売機は自動です。手売りが多い中結構気合い入ってます。
さてさて、ここからエコパまでは歩いて15分程度です。道はなだらかな登り坂(帰りは当然下り・・・)です。歩道が非常に広くて歩きやすいのですが、なんだかよくわからないオブジェがたくさんあります。何を意味しているのか・・・?
歩いていると不思議なオブジェが次々に現れてきます。まぁこれも一つの楽しみだと思って見ながら進みましょう。
坂を上ると今度は階段です。ここではムービングベルトが用意されています。さらに車椅子の方のためにリフトまで・・・なんという豪華な階段でしょうか?ちなみにこのリフトですが無人でボタンでの対応のため、健常者の方も使っています・・・歩けって・・・。
この階段を登りきるともう正面にエコパが見えてきます。なかなかきれいな建物です。外灯もしっかり付いていて、しかも道が広い・・・ちょっと雨が降ってきたのが、まさしく水を差しますが・・・。
スタジアムの近くになると座席位置を示した看板が現れます。エコパは2層で細かく座席ブロックが区切られているため、みなさんチケットを見て確認をしています。
ワールドカップのときは座席区分によりブロックが完全に遮断されるので、こうした看板は重要です。
スタジアムの正面には「チケット売場」もあります。ここなら誰も間違えないでしょう。ちなみにチケット売場はこの反対側にもあり、どちらからでも利用できます。
今日は当日券があるようで、4ブースのうち2ブースが開いています。ちなみに反対側は閉まっていました。
肝心な入口ですが、さすがにワールドカップ仕様ですので、きちんと色分けされています。まずは正面のメインスタンド入口ですが、こちらはWゲート、時計と反対に回ってサイドスタンドがSゲート、バックスタンドはEゲート、もう一方のサイドスタンドがNゲートとなります。
ホーム側はNゲート、アウェイはSゲートです。各入口から他のブロックへの移動はできないので注意しましょう。
感心するのは、こうしたゲートに並ぶ人たちの行列の管理の仕方です。非常に手慣れています。各ゲートとも3人一列で1往復分並ばせる列をたくさん作っていきます。
入場のときには前の列から順にゲートに誘導し、前列の最後尾に次の列の先頭を付けていきます。小学校の運動会方式ですが、徹底されておりしかもスタッフもぬかりなくやっているのでストレス無く入場できます。
ちなみに入場時には荷物の検査があります。ペットボトルや危険物は持ち込めません。
荷物の検査が無事に終わるとチケットをもぎってもらって中に入場です。
場内の構成
場内は2層式です。1階は前半分くらいまで2階席が来ているので雨に濡れることはありませんが、それより前はかなり厳しそうです。
ちなみに車椅子のスペースは1階の最後尾にあります。ここは車椅子で直接乗り付けられるようになっています。数もトヨタスタジアム並にあります。リフトと良い、このエリアと良いバリアフリーはかなり意識されています。一応番号が振ってあるので立派な座席なのです。
1階の通路ですが、最後尾の座席の後ろが場内をグルリと一周しています。通路が最後尾だけというのはちょっと辛いものがあります。1階の最前列はこの通路から階段を降りていかなければならないので・・・新横浜はこんなに辛くない・・・ちょっと贅沢かも・・・?
車椅子の方の座席は地上からは2階になるので、当然エレベータもあります。通路自体は広いので移動には支障はなさそうです。
さて肝心の座席ですが、1階席の方が背もたれがやや高くて座りやすいです。ちなみにカップホルダー等の設備はありませんので、カップに入れた飲み物の管理は気を付けましょう。
シートは緑が基調のようですが、装飾用のオレンジのシートもあります。
さて2階ですが、こちらはスタンド外の通路がちょっと狭いです。通行にはやや支障ありですが、大問題と言うほどではありません。
場所によっては柱が邪魔して通路が極端に細くなっていますので、1階の通路で移動した方が無難です。ちなみにこの細くなっているところには救護室もあります。
2階は傾斜がかなり急です。座席は楕円形に配置されているのでどこからでも非常によく見えます。2階席はお奨めの場所です。
さらに電光掲示板ですが両方のサイドスタンドに配置されており、どちらもオーロラビジョンです。これは凄い!!
最後にトイレのチェックをしておきましょう。
水石鹸がなぜか健常者用の洗面台だけに付いているのが気になりますが・・・紙はちゃんと付いていますのでご安心を・・・。あぁ新しいって良いなぁ・・・。
物販・飲食
物販施設は場外にはチケット売場の前にホームチームのグッズショップがあります。今日はジュビロ磐田のホームゲームですので、ジュビログッズの販売ワゴンがあります。
いやぁ車で売るなんぞ、良い味だしてます。なんかイタリアのリーグみたいです。って思ったら本当に車の販売会でした。フォルクスワーゲンがスポンサーだったんですねぇ・・・
と言うことで改めてみると、仮設ながらジュビログッズの売場もあります。こちらはトレーラーで引っ張っていくのでしょうか?何とも不思議な形です。
場内にはワゴンでの対応で、おなじみのジュースやビール類、応援グッズが所狭しと売られています。当然売り子さんも出ています。ビールを買うと缶に残ったビールを「この場で飲んで・・・」と豪快なお兄さんでした。
ちなみにビールは1杯460円。新横浜は500円・・・。絶対に高い・・・。
感想
新しいスタジアムは駅から遠いという定説を覆す好立地です。駅から15分くらい歩くところがなかなか良いですねぇ・・・今日はどっちが勝つ?、誰が点取る?という話で盛り上がってサッカー場に行く・・・ヨーロッパ的です・・・。
さらにバリアフリーも確実で、地元の住民のための新しいシンボル施設になれるのでは無いでしょうか?
今まで見てきた中ではかなりのランクです。ちなみにこの試合の後はミスチルのコンサートも行うとのことで、音響もなかなかのレベルのようです・・・。
残念なのは歩道を広くした分、通路の照度が落ちたようで、日が暮れるとちょっと暗いです。帰りも走らないようにというアナウンスとともに、暗いので足下に気を付けて!というアナウンスも多かったです。せっかく良くできてるのに残念です。
さて肝心の試合ですがどうなったのでしょうか?興味のある方はこちらから
ジュビロ磐田 VS 清水エスパルス
日本で最も盛り上がるダービーと言われるこの試合。実は生で見るのは始めて、当初はジュビロが圧倒的な戦績を残していましたが、今年は清水が勝ち、優勝したジュビロから唯一の勝ち星を奪ったチームとなった。
今回はどうなるのか?基本的には攻撃ジュビロ、守ってカウンターの清水という色合いになります。
静かな序盤と思いきや、いきなり試合が動く。ジュビロが左サイドでフリーキックのチャンス、名波のクロスボールをボランチ福西がタイミングの良いヘディングで流し込んで、ジュビロが先制!!なんとこれが前半の2分・・・。守ってカウンターを狙いたい清水としては痛すぎる失点です。その後ジュビロが中盤を完全に支配。この日の福西は絶好調、まさに和製ザマー健在です。
そうこうしているうちに今度は前半11分。ゴール正面やや右でフリーキックのチャンス。名波の得意の位置と思ったら、蹴ったのは奥。キーパー逆を取られてなんとかはじいたところになんとまたまた福西が飛び込んで2点目。いやいや今日は福西デイですね。前半11分でドッピエッタ達成!!
こうなるとジュビロは強い。もともと強い最終ラインに福西が戻ってボランチの仕事をするので清水も崩せない・・・強引とも思える中央突破が何度もジュビロの壁に阻まれる。
しかし前半40分過ぎ、今度は清水に大チャンス!!フォワードの突破に思わずジュビロのディフェンスが足を・・・うまく転んでPKをゲット・・・。キッカーはアレックス
ところがアレックスのPKをキーパーのヴァンズワムが見事にセーブ。ツキもジュビロに味方して清水はもはや打つ手無し??
さてさて、後半になってまず清水の破れかぶれのアタックが多くなる。ジュビロがそれを阻んでカウンターで再び清水大ピンチ・・・。
しかし、得点は清水に・・・今度は清水のエース、バロンが見事なシュートで1点差。しかしジュビロは慌てない、清水に換えて前田を投入。
この采配はズバリ的中。一瞬の隙をついて名波と壁パスで抜け出た前田がJリーグ初ゴールで3点目、これで清水は万事休す・・・。
結局試合は3-1でジュビロの圧勝。中盤の差がそのまま点差に出た試合でした。
ちなみに小生が見に行たジュビロは今期は3戦3勝!!あぁ藤田の復帰が待ち遠しい・・・。
小笠山総合運動公園は、静岡県掛川市と袋井市の市境に跨がって位置する、スポーツ施設群を有する都市公園(広域公園)。愛称エコパ(ECOPA)。総工費は約800億円、2001年5月10日に供用開始。施設は静岡県が所有し、静岡県サッカー協会グループ(静岡県サッカー協会と静岡県に本社を置く数社の企業で構成されるグループ)が指定管理者として運営管理を行っている。多目的運動広場と人工芝スタジアムは掛川市に属する。一方で、エコパスタジアム、エコパアリーナ、補助競技場、ビオトープは袋井市に属する。入口は、掛川口と袋井口の2ヶ所設置されている。
TEL | 0538-41-1800 |
住所 | 〒437-0031 静岡県袋井市愛野2300−1 |
URL | https://www.ecopa.jp/ |
アクセス | JR東海道線 愛野駅より徒歩15分 |
地図(GoogleMAP)
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