ワイルドブルーヨコハマ(WildBlueYokohama)
料金後払いなど当時としては画期的な料金体系で多くの人が足を運んだ施設。通年営業のためか施設の痛みも早く、客足の遠のくのも早かった。
視察履歴
最後の夏、大賑わい!! (2001年7月8日)
雨天でも大丈夫、インドアだから (2000年8月12日)
動画内容の文書起こし
昔、昔、
今はマンションになっている横浜市鶴見区平安町に、ワイルドブルーヨコハマというウォーターパークがありました。1992年に開業した施設は敷地面積3万㎡の完全屋内型プール施設で、中にはビッグベイという大きな増波プールとその周りには子供用のプールがあり、周囲を取り囲むように設置されたウォーターベイという流水プール、夏時期だけ利用できる屋外プール「パーティーラグーン」がありました。さらに、施設の屋上近くから滑り降りるスライダーもありました。
横浜という名前が付いた施設ですが、最寄り駅はJR川崎駅か鶴見駅、更にバスで20分程の立地という駅からは離れた場所にあり、車で来た人は施設の屋上にある駐車場を利用しなければなりませんでした
外から見るとテーマパークというよりは体育館のような外観で、道路を通過する人から見るとこの中に大きなプールがあるということはなかなか認識できなかったようです。
この施設の最大の特徴がフロントでのチケット対応です。ホテルのような立派な受付カウンターで利用料金を支払い、ロッカーのカギを受け取ります。鍵には利用するロッカーの番号が記載されている他に、バーコードが付いており、このバーコードを読ませることで施設の中にあるレストランやお土産、レンタル品なども借りることができました。
そして退場するときには、フロントで精算をして使った料金を支払うというテーマパークでは珍しい後払い精算方式を用いた施設でした。
この施設を楽しむ人は、フロントで受付を済ませてからロッカーに向かいます。ロッカーキーに書かれた番号が自分の使うロッカーで、
ロッカー室には更衣ブースの他、ドレッサー、脱水機、個室シャワーブースなど今までのプール施設にはない豪華な設備が完備されておりました。
ロッカー室を抜けて、男女の更衣室が合流した場所から階段を登るとプールの入口。屋内ですが高い天井の開放感があるプールが見えてきます。プールの床面は白色のパンチカーペットで、プールの底面も同色ですので、白砂のビーチに来た印象を受けます。
増波プールは一番深いところまで行くと波が来たときには足がつかないほどで、利用する人はレンタル品のフロートを利用して奥まで進んで並みを楽しんでおりました。
時間が来ると大きな波が出たり、その波を使ってボディーボードを楽しんだりすることもでき、更にはロープで滑空してプールに落ちる体験もできる時間もありました。
小さい子供を連れた家族のためには造波プールの脇にある子供向けのプールもあり、子供も楽しめるように工夫されておりました。
造波プールの階を一つ登ると施設内を一周できる流水プールがあり、こちらは流れながら楽しめるので子供連れからカップルまで賑わっておりました。夏には流水プールと同じ階層に屋外のプールも運営されて、屋外の雰囲気を楽しむこともできました。
泳ぐ目的以外ではサザンオールスターズのミュージックビデオで施設が利用されたり、ワイルドブルーヨコハマを宣伝するキャンペーンガールを選んだりと、芸能活動にも利用された施設で最盛期には80万人が利用する施設でした
しかし、この施設は大きな問題を抱えておりました。施設内の全ての利用料金を後精算にしたために、退場時には精算に時間がかかりました。
さらにすり抜け防止のためのカードを配布していたため、精算金額が0であっても、精算を他の人に任せていた人も、精算が終わるまで精算場所の周辺で待たなければなりません。このため閉園時間が近くなると、精算窓口の周辺は大変混雑しました。
そして開園から10年を待たずして、2001年8月31日にその短い生涯を閉じることになりました。最後の1年は後精算をせずに現金で園内の施設が利用できるようになり、一度来るとほぼ無料に近いような大きな割引を享受できる優待券をもらえたりという状況ではありましたが、造波プールを利用したアトラクションや後精算方式を利用する支払い方式はその後の国内ウォーターパークで受け継がれていきました。
現在は跡地にマンションが立っており、その当時の面影を知ることはできませんが、携帯電話も電子マネーもない時代、プールのような現金を持ち運びにくい施設の運営に一石を投じた施設であることは間違いありませんでした。