最後の夏、大賑わい!!
No.65
ワイルドブルーヨコハマ
視察日時 2001年 7月 8日
到着まで
いよいよ今年も視察のシーズンだなぁ・・・なんて準備を始めようとしていた矢先、とんでもないニュースが舞い込んできました。「ワイルドブルーヨコハマ8月31日で閉園」。オープン当初は入場するのも大変なくらいの大盛況ぶりを発揮していたあの施設が・・・。
5月に行ったオーシャンドームと同じ時期にできたインドアプール施設。う~ん、共通点も多いし・・・複雑な心境のまま視察シーズンに突入!早速行ってみることに・・・。
ワイルドブルーヨコハマは、なぜか??最寄り駅は川崎です。昨年は電車とバスで行ったので、今回は車で行ってみます。思えばこの施設何回も来てますが車で来るのは初めて・・・でした。
ワイルドブルーの周辺は工場が多く、通りの名前も「ゴム通り」などストレートな名前が多い・・・。いっそ「ワイルドブルーストリート」とかにすればとも思うのですが・・・。
駐車場は施設の裏側にあります。施設に併設しているところと、その隣の立体駐車場の2箇所。どちらに止めても2000円。う~ん、ちょっと高いなぁ・・・。
駐車場が裏手なので、入口へは施設の脇の通路をひたすら歩く。とは言ってもたかだか200メートルくらいですが、しかしこの通路やけに暗い。途中バス乗り場もあるが、ここも暗い・・・。いつも炎天下の中ひたすら歩くプール視察では非常に特殊なケースです。
途中にいろいろな施設の紹介パネルがあるのですが、やはり暗さが問題で見づらい感じがします。さていよいよ入場となります。かつては外にあったチケットブースも現在は内部に移動しています。昨年来たときもそうでしたが、やはり、この辺栄枯盛衰を感じてしまいます。
さあ、まずはチケットを買いましょう。入場券は中に入ってフロントカウンターで購入できます。カウンターは中間で柵がしてあり、外側がチケットの発券、内側が精算カウンターになっています。カウンターに着くと「川崎市民ですか?」と受付のきれいな女性が問いかけてきます。{んん??」と思ってカウンターを見回すと「川崎市民割引」のシーズンのようです。オーシャンドームのときもそうでしたが、特典を受けられない人間にとってはこの手の質問はちょっと・・・です。川崎市民1900円、ちなみに都民の小生は3900円・・・う~ん、この2000円は痛い!?
料金を払うと、ロッカーキーの付いているリストバンドがもらえます。これがチケットの代わりで、改札でリストバンドを見せると「どうぞ」。っとでも待って!何か貰ってる人もいます。いいなぁ川崎市民割引・・・。さてこのチケットカウンターもやはり暗い。節電していると言う感じではなく照明そのものが照度が低いようです。
改札を抜けるとインフォメーションがあります。ここでは場内のMAPがもらえます。日本語、英語の他、中国語、韓国語と用意されています。素晴らしい・・・。
インフォメーションを過ぎると、いよいよロッカールームへ・・・男女に分かれます。小生はもちろん男性側・・・。男性側ロッカーは男性用とグループ用の二つのエリアがあります。ところが内部ではグループ用はくっついています。お母さんと息子、お父さんと娘、という組み合わせでもと言う配慮なのでしょう。納得・・・。
ロッカールームの前では靴を脱ぎます。靴はそのまま持ってロッカーに行きましょう。
ロッカーは上下2段のタイプです。入口で受け取ったロッカーキーの番号を頼りに自分のロッカーを探します。ロッカーが決まっているのでここでは何回開け閉めしてもタダ!これは非常に重宝します。ロッカーにはハンガーが2つあり、靴入れ、もの入れと仕切があり非常に便利です。
ロッカーも万全の設備ですが、ワイルドブルーは更衣ブースやシャワーも凄い。シャワーブースにはシャンプー、リンス、ボディソープ(全部「マシェリ」でした)が完備。空になったらブースの外に出しておくと定期的に交換してくれます。
さらにドライヤー(タダ)完備のドレッサー。消毒器付きのブラシ、脱水機等々・・・。ホテルのプールでもここまで揃っているのはなかなかないのではと思うくらいの充実ぶりです。
脱水機はサマーランドと同じタイプ(というかサマーランドよりも前からあったのでこちらが元祖?)。こんな素晴らしい施設がありながら一つだけ問題が・・・それは、やはり暗い・・・。
さぁ着替えも終わりましたので、ビーチに向かいます。ビーチ前の階段が「レインフォレスト」と呼ばれているところで、ここで男女に分かれた動線は一つになります。しかしここがまた暗い・・・。本当に・・・、一番くらい場所です。
そして階段を登ることしばらく、やっとビーチの入口です。ここは・・・明るい!
場内の構成
やっと明るいフロアに出てきました。ワイルドブルーヨコハマです。場内はかなり混雑・・・。あの車の空き方なら・・・と思っていたのですが、まずは場所取りが必要です。陣地を探しながら場内をグルリと回ることにします。
ワイルドブルーは入口が1階、2階が造波プールなどのエリア、3階に流水プールがあります。まずは2階から見てみましょう。
なんと言ってもワイルドブルーと言えば造波プール「ビックベイ」です。ボディーボードもできる大波も出ますが、今は遊泳用の波・・・しかし相変わらずの混雑です。
ビックベイの左側にあるのが、子供用のエリア「キディーラグーン」。ここは泳ぐ子供をビデオに収めるご両親のエリア・・・ではなくて、子供用の浅いプールです。ビックベイからの波が流れ込むようにできています。ちょっとヌメって滑るのが怖いんですが・・・
ビックベイの右側には、温浴系の施設が並んでいます。「ワールプール」と呼ばれています。ジャグジーに、温水プール、サウナに採暖室と盛りだくさんです。
さらに、このエリアには日焼けマシーンもあります。カプセルタイプでロック調の壁にはちょっとマッチしない感じがしますが・・・。
そして、お隣にはスライダーのエリア「オールドドラムファクトリー」があります。スライダーはボディースライダーとチューブスライダーの2種類があります。入口は同じ場所ですが、スタートは階段を2層分登り詰めてスタートです。ボディースライダーはこのまま1階のレインフォレストまで一気に下るコースもあります。チューブスライダーは入口に無事帰還できます。
チューブスライダーは有料です。料金を払うとテープを腕に巻いてもらえます。これを入口で確認(なぜかマジックで印を付ける)して、浮き輪を借りて出発!ここでも浮き輪は自分で持っていきます。ちなみにチューブスライダーは途中で写真を撮る場所もあります。シールタイプ、カードタイプなどいろいろなタイプで出力してもらえます。
このフロアには、外にもプールがあります。パーティーラグーンと呼ばれていて、ホテルのプールを彷彿させるプールです。建物の関係で日向と日陰があるのですが、日陰はちょっと寒い・・・。休憩するなら日向を利用しましょう。
レインフォレストから登ってきた階段をさらにもう一層登ると流水プール「ウォーターウェイ」に出てきます。このプールは深さ90センチですが、施設をグルリと一周しています。膝を着いても泳げてしまうので、大人にはちょっともの足らないかも・・・。もっとも浮き輪で二人の世界を作っているカップルには関係ないのでしょうが・・・??
途中でミストシャワーがあったり、水が垂れてきたりとなかなか楽しめます。
とまぁ上に下に楽しいのですが、ちょっと一服と言うときには喫煙場所を使いましょう。ビックベイの左右にあります。灰皿もきれいでベンチもあるのでリラックスできます。
さて、肝心な陣地ですが、穴場はビックベイの右側の岩の上。ここは広くて暖かいんですが、以外に気が付かないようで人があまりいません。混雑時はここがよいのでは?
陣地も確保したので、泳ぐ前にちょっとトイレへ行きましょう。トイレは非常にきれいで設備も抜群です。
なかなか豪華です。
アトラクション
場内でアトラクションと言えるのは、まず説明したスライダーがあります。そしてワイルドブルー名物の「ボディーボード」。こちらはボードを借りる人、持ち込む人様々です。ボディーボードは遊泳を中断したビックベイで行います。
ボディーボードの飛び込み位置には、モニターが設置されていてここではボディーボードの注意や波への乗り方などを説明してくれます。とは言ってもビデオを見て何でもできれば世の中苦労はありません。こうした人たちのためにボディーボード教室が開かれています。波の乗り方、注意など親切に説明してくれます。
初心者の人は恥ずかしがらずに受講することをお奨めします。場所はビックベイの左側の喫煙所の隣です。
ボディーボード以外には「ワイルドジャンプ」というアトラクションがあります。こちらはボディーボードタイムの終了後に限定人数で行われています。内容的にはロープにぶら下がって水面をジャンプ!というシンプルなものですがなかなかの人気です。
シンプルなんですが以外にこの手のアトラクションっておもしろいんですよねぇ・・・
さぁ今日はなにやらイベントがあるようです。キディラグーンの周辺に服を着てカメラをぶら下げた怪しげな群衆を発見??一体何?と思ったらワイルドブルーのキャンペーンガール「ミスジャバーン(またネーミングが何とも・・・)」の撮影会があるそうです。
ミスジャバーンの方々。初めて近くで見たけどなんか普通の若い姉ちゃん(失礼しました)ですねぇ・・・う~ん、でもナイスバディだ・・・。しかし今のカメラ小僧は凄い・・・何でおまえらモデルにポーズ要求してるの??
でもせっかく来たので、一応小生も参加しました。これが作品ですが・・・だめか??
あまりセンスが無いようですので・・・この辺で・・・
物販・飲食
ビーチエリアの物販施設は、ビックベイの左側にあります。ここはレンタルカウンターも兼ねていて、場内の販売とレンタルすべて請け負っています。ちなみにレンタルも販売も後精算方式のワイルドブルーでは全てロッカーキーを利用して行います。
さてこの物販施設ライフガードセンターも兼ねていて、ムキムキマッチョなお兄さんが笑顔で対応しています。ライフガードは体育会系で怖そうなのが定番のプール施設では非常に珍しいタイプです。
レンタル品は非常にたくさんあります。普段見かけないものとしては「ラブチェアー」なんと二人掛けのデッキチェアーで1000円!
定番の商品のラインアップも確実です。そして流水プール用の大型フロートもあります。
持ち込み品の空気が足らない人は、レンタルショップ横のコンプレッサーを利用しましょう。2機ありますので、順番に・・・
飲食施設はビックベイのフロアに2箇所、ウォーターウェイのフロアに2箇所あります。まずはレンタルショップ横の「マディニーナ」こちらはタイ料理のフェアを実施中で、トムヤンクンなどが食べられます。あの匂い・・・小生は・・・×・・・。
外でも食べられる レンタルショップの奥には、「フェアリーバスレッド」こちらはカフェテリアとハンバーガーショップがあります。こちらは非常に大きいレストランで座席数も多くなっています。
ワイルドブルーのレストランは全て、300円払えばフリードリンクにしてもらえます。ただしビールはダメ。しかし、アイスコーヒーもブルーハワイもフリードリンクのメニューに入っているんですが・・・一緒に飲む人っているのかなぁ??
せっかく来たので、「フェアリーバスレッド」で食事をしていると、なんと隣のカップルドリンクを一つ頼んで回し飲み・・・。たしかにこれは裏技です。あくまでも二人以上で来ている人限定の・・・一人では・・・。意地張ってアイスコーヒー2杯も飲んでしまった。あぁ・・・ゲップ!
2階にはソフトクリームショップがあります。夏休みに入ると2階のもう一つのレストラン「ユーフォリア」もオープンするようですが、今日はお休み・・・。
ビーチエリアはこんな感じですが、改札の隣にはお土産中心の物販ショップがあります。こちらはビーチ周り品や記念グッズが中心です。8月一杯で閉園と聞いてしまうと、なぜか記念品が欲しくなる悪い癖のある中年男性にとっては魅力的な施設です??
ちなみに全店ロッカーキーのバーコードで後精算が可能です。精算はカウンターにロッカーキーを出すと利用金額の明細が出て精算できます。精算が済んだ人は「EXITカード」が渡されて、これを出口で渡すと退場になります。
調子に乗ってビール飲み過ぎると大変なことになりますよ・・・?
感想
1年ぶりのワイルドブルーですが、本当に閉園は残念です。今更他人がと言う感じですが、何が問題だったのか?自分なりに考えてみました。
やっぱり「暗さ」だと思います。施設の雰囲気というのは非常に重要だと思います。開業当初は「カップル」「若い女性」という狙いだったと思いますが、実際プール施設はなんと言ってもファミリーが中心になるのです。事実料金改定以降その傾向は強くなっていたのでは?と思います。こうした人たちが来場するときに場内各所で見られた「暗さ」は大きなハンデ出会ったのでは・・・。
残りわずかな期間ですが、ワイルドブルーヨコハマ頑張って欲しいと思います。最終日までにもう一回!行きたいです・・・。
料金後払いなど当時としては画期的な料金体系で多くの人が足を運んだ施設。通年営業のためか施設の痛みも早く、客足の遠のくのも早かった。
視察履歴
最後の夏、大賑わい!! (2001年7月8日)
雨天でも大丈夫、インドアだから (2000年8月12日)
動画内容の文書起こし
昔、昔、
今はマンションになっている横浜市鶴見区平安町に、ワイルドブルーヨコハマというウォーターパークがありました。1992年に開業した施設は敷地面積3万㎡の完全屋内型プール施設で、中にはビッグベイという大きな増波プールとその周りには子供用のプールがあり、周囲を取り囲むように設置されたウォーターベイという流水プール、夏時期だけ利用できる屋外プール「パーティーラグーン」がありました。さらに、施設の屋上近くから滑り降りるスライダーもありました。
横浜という名前が付いた施設ですが、最寄り駅はJR川崎駅か鶴見駅、更にバスで20分程の立地という駅からは離れた場所にあり、車で来た人は施設の屋上にある駐車場を利用しなければなりませんでした
外から見るとテーマパークというよりは体育館のような外観で、道路を通過する人から見るとこの中に大きなプールがあるということはなかなか認識できなかったようです。
この施設の最大の特徴がフロントでのチケット対応です。ホテルのような立派な受付カウンターで利用料金を支払い、ロッカーのカギを受け取ります。鍵には利用するロッカーの番号が記載されている他に、バーコードが付いており、このバーコードを読ませることで施設の中にあるレストランやお土産、レンタル品なども借りることができました。
そして退場するときには、フロントで精算をして使った料金を支払うというテーマパークでは珍しい後払い精算方式を用いた施設でした。
この施設を楽しむ人は、フロントで受付を済ませてからロッカーに向かいます。ロッカーキーに書かれた番号が自分の使うロッカーで、
ロッカー室には更衣ブースの他、ドレッサー、脱水機、個室シャワーブースなど今までのプール施設にはない豪華な設備が完備されておりました。
ロッカー室を抜けて、男女の更衣室が合流した場所から階段を登るとプールの入口。屋内ですが高い天井の開放感があるプールが見えてきます。プールの床面は白色のパンチカーペットで、プールの底面も同色ですので、白砂のビーチに来た印象を受けます。
増波プールは一番深いところまで行くと波が来たときには足がつかないほどで、利用する人はレンタル品のフロートを利用して奥まで進んで並みを楽しんでおりました。
時間が来ると大きな波が出たり、その波を使ってボディーボードを楽しんだりすることもでき、更にはロープで滑空してプールに落ちる体験もできる時間もありました。
小さい子供を連れた家族のためには造波プールの脇にある子供向けのプールもあり、子供も楽しめるように工夫されておりました。
造波プールの階を一つ登ると施設内を一周できる流水プールがあり、こちらは流れながら楽しめるので子供連れからカップルまで賑わっておりました。夏には流水プールと同じ階層に屋外のプールも運営されて、屋外の雰囲気を楽しむこともできました。
泳ぐ目的以外ではサザンオールスターズのミュージックビデオで施設が利用されたり、ワイルドブルーヨコハマを宣伝するキャンペーンガールを選んだりと、芸能活動にも利用された施設で最盛期には80万人が利用する施設でした
しかし、この施設は大きな問題を抱えておりました。施設内の全ての利用料金を後精算にしたために、退場時には精算に時間がかかりました。
さらにすり抜け防止のためのカードを配布していたため、精算金額が0であっても、精算を他の人に任せていた人も、精算が終わるまで精算場所の周辺で待たなければなりません。このため閉園時間が近くなると、精算窓口の周辺は大変混雑しました。
そして開園から10年を待たずして、2001年8月31日にその短い生涯を閉じることになりました。最後の1年は後精算をせずに現金で園内の施設が利用できるようになり、一度来るとほぼ無料に近いような大きな割引を享受できる優待券をもらえたりという状況ではありましたが、造波プールを利用したアトラクションや後精算方式を利用する支払い方式はその後の国内ウォーターパークで受け継がれていきました。
現在は跡地にマンションが立っており、その当時の面影を知ることはできませんが、携帯電話も電子マネーもない時代、プールのような現金を持ち運びにくい施設の運営に一石を投じた施設であることは間違いありませんでした。