「湯~園地」は遊園地には届かなかった!?@ラクテンチ
NO.349
湯~園地
日時 2017年 7月30日
自分の住んでいる大分県の別府市が今年の初頭に思い切った動画を発表した。
遊園地を湯~園地にするというのである。話題をさらい、あっという間に目標達成して実現することになったのだが3日間限定で、基本的にクラウドファンディングに参加した人が入場できるということなので、お金は出さないが参加はしたい人が多い市内の反響は冷ややかな面もある。
参加する人からの好意で自分も行けることになったのでどんなもんか?覗いてみることにしました。
場所は別府市街から10分ほど車で行った「ラクテンチ」という施設。温泉観光の全盛期には隆盛を誇った施設ですが近年は寂しい状態で現在は年間で10万人規模の施設。
ここに3日間で12000人を集めようというのだから大変です。
まずは駐車場。12時前には満車。この時間に来ると
「駅に戻って駐車場を探してからバスで来い」とのこと。
なんとも冷たい対応である。遊園地ビジネスは入場者数を先読みしにくいという難しさはあるが、今回の場合は一日で来る人の数が読めるのだから駐車場満杯時の近隣駐車場の確保などの策はとれたように思う。
湯~園地の会場となるラクテンチは入口から園内までケーブルカーで行き来する。ここから一種のアトラクションということになるのであるが、ケーブルカーなのでそんなに速度は出ない。結構時間がかかる。。。
ケーブルカーを使わないと、“湯~歩道”と書かれた山道を登るか、ジャンボタクシーを呼ぶか?遊園地に入るためにジャンボタクシーを呼ぶ人はまずいないだろう。あとケーブルカーが登るような急な勾配を歩いて登る人はこれまた少ない。ケーブルカーが大混雑する場合の対応ということなのだろうが、ちょっと無理があるように思います。
今回の湯~園地のチケットは参加者に送られてくるタオル。3色あり3日間でそれぞれ色が決められているというもの。これは分かりやすくて良いですね。今日は緑です。
さて、ケーブルカーに乗ります。
ラクテンチのときはこんなに明るかったかな?というくらい元気なガイドさんの案内で登ります。
ケーブルカーはかなりの年代物なので、エアコンはありません。熱風をかき回す扇風機の風にあおられてしばらく我慢。
このケーブルカー。水にぬれた状態で椅子に座らないようにと注意されます。椅子がモケット製なのでビショビショになってしまうということでしょう。
しかし、もともと“水かけ”、“ずぶ濡れ”が前提の今回のイベント。ケーブルカーの椅子にビニールシートなど敷けばこんな問題も解決できたと思うのですが。。。ちなみに動画ではケーブルカー内は温泉になっています。。。
そんなことを考えていたら頂上に到着。ここから湯~園地の始まりとなります。今回は全アトラクション乗り放題。この施設いきなり観覧車があるのですが、さすがに観覧車からという方はあまりいません。
ラクテンチの名物はアヒル競争。今日は特別に足を冷やせる水槽付きで楽しませてもらえます。アヒル競争のナレーションはいつもの通り。お客さんのノリもいつもの通りな施設でした。
会場内はこれでもかぁ!!というくらいに黄色のバナーが立てられています。
まずは広場を目指して進むと温泉コースターが目の前を横切ります。これに乗るために120分・・・
更衣室や荷物預かりもあります。ただしこれは施設のかなり奥。気が付かない人もいるかもしれません。
それと動線上の問題が一つ。ラクテンチには有名な吊り橋があります。中央付近からは別府市街が一望できるので、インスタファンには人気があるようです。
しかし今日はつり橋が一方通行なので、ケーブルカーを降りてから最初に遭遇する吊り橋につられて進んでしまうと、この更衣室ははるか遠くになるのです。着替えをもってずぶ濡れエリアを戻って更衣室へ。。。可哀そうな動線でした。。。
さてさて、アトラクションはどうでしょう?
ミストをライドに浴びせるタイプは楽そうですね。こんな感じなら既存の遊園地でも夏場使えそうです。
今回の目玉の一つ、ヒノキ風呂のメリーゴーランド。こちら80分待ちとなっていますが、準備が大変そう。毎回お湯を補給しないといけないようで。。。ちなみに普通の搬器は15分待ち。
ジェットコースターですが、思ったほど泡が飛び散らないようです。当然走路の下にいてずぶ濡れになるようなことはありません。
コースターとともに人気なのが150メートル(施設発表)の長さを下るスライダー。おかげで通路が狭くなるし、迂回しなければならないし。。。という場所もチラホラありました。まぁ、お祭りですから我慢しましょう。
気温35度近くなので人気があるのはプール。こちら今年流行りのボールを浮かべた仕上げになっていますが、イモ洗い状態の盛況ぶり。
食べ物はというと、ほとんどが屋台。もともとそんなに飲食店舗が充実している施設ではありませんが、流しソーメンは20分待ち。メインダイニングはなんとボランティア専用の食堂で来場者は利用不可という・・・
記念グッズの販売もあるのですが、室内の更衣室近くなので、更衣室を使わない人には存在はアピールできないかもしれません。
せっかくなら屋台が並んだ近くに並べた方がもっと売れるように思います。。。
その屋台の食べ物も値段はその日の動向で変動するようです。
この企画のために独自の商品を開発した地元のお菓子屋さんに至っては、なんと帰りのケーブルカー乗り場近くの店舗に・・・ここで売れるんだろうか??
飲食や物販については“遊園地”のレベルにはありません。前日まで街中でやっていたお祭りの屋台がそのまま引っ越してきたような感じです。
これだけの内容で場内のコントロールを行うのが黄色のシャツを着たボランティアということでした。多すぎて動線をふさいでいるようにも感じるのですが。。。タダなものはいくらでも受け入れるというこの街の気風というところでしょうか?
遊園地を使った「街のお祭り」はある意味でいろいろと勉強になりました。
ラクテンチは大分県別府市の立石山中腹にある遊園地。別府市内を一望できる山上にあり、平野部からケーブルカーで移動して入園するという変わった施設(車で迂回すればケーブルカーは使わなくても大丈夫)。アヒル競争という名物アトラクションがあります。
TEL | 0977-22-1301 |
住所 | 〒874-0821 大分県別府市流川通り18丁目 |
URL | http://www.rakutenchi.jp/ |
入場料 | 大人(高校生以上) 1,300円 小人(3歳~中学生) 600円 |
開園時間 | 9時30分~17時00分(季節により変動、休園日あり) |
アクセス | JR日豊本線 別府駅からバスで15分 |
地図(GoogleMAP)
天気予報(ハリテンより)
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