廃校水族館に帰ろう~♪@むろと廃校水族館
NO.475
むろと廃校水族館
日時 2020年11月 6日
宿泊地の高松から高知県に今日は移動します。目的地は室戸岬の近くにある廃校になった小学校を利用した水族館「むろと廃校水族館」。
何度かテレビで紹介されたりした施設で、ホームページには「高知県室戸市室戸岬町の旧椎名小学校を改修した「むろと廃校水族館」。屋外プールと校舎内に設置した水槽には、ブリやサバ、地元の定置網にかかったカメなどがゆったりと泳ぎます。学校でありながら水族館で、水族館でありながら学校です」と記載されています。
今まで行った水族館とはちょっと雰囲気が違うのですが、一見の価値はありそうです。
というようなことを二両編成の特急の中で思いつつ、途中で夜明けを見ながら高知につきました。
高知からレンタカーで施設を目指します。高速道路などはありませんが約2時間。途中休憩した場所には土佐日記でおなじみの紀貫之の歌碑などを見ながら移動です。
室戸岬の突端からは少し徳島よりでしたが無事に到着しました。
元が小学校なので国道から離れた場所にあるかと思いきや、国道から一本内に入った側道沿いでわかりやすかったのはありがたいです。
そして道路の対面には、周辺の水族館の案内があったりしますが、どちらも車で2時間以上かかる場所です・・・きつい冗談のような看板です。
全景は下の写真のような感じです。鉄筋コンクリート造りの立派な小学校。多分校庭は舗装して駐車場にしたのでしょう。地面は全て舗装されています。
まずは入口を探しますが・・・自動扉になっている入口の前にはチケット売り場は別にあるとの案内。
案内の方角を見ると・・・ここがチケット売り場?一応コロナ対策についての説明があるのですが・・・人がいない・・・
しばらくするとスタッフさんらしき人が現れて、チケットの販売と検温、消毒と儀式が続きます。
渡されたチケットはシールになっているという優れもの。このアイデアはほかの水族館では見たことありません。
チケット売り場は物販店舗も兼ねているようです。自虐的な商品ポップなどもあるのですが、菓子類+アパレル+玩具など他の水族館にあるような商品ラインアップです。
体育で使う跳び箱を利用した商品棚は面白いですね。
さてチケットを手に入れたので、入館します。この施設では「登校」というようです。
コロナ禍のため入館後は順路に沿って見学するように促されます。
こうした施設では、何かしら笑いを誘うものがあるものですが、まずは改札・・・人体模型がマスクの着用を促します。
さらに下駄箱は何となく人がいるように見せるイラストを入れる。
さらに、プロレス巡業の宣伝貼り紙のような水族館の宣伝。かつては地方巡業で学校の体育館を利用するプロレス団体あったようなのでここからのアイデアでしょうか?私はこうした雰囲気大好きです。
展示エリアは2階からのようです。階段を上ります。
途中には学校の備品を利用した展示パネルなどがあります。まじめなもの、ちょっととぼけたもの・・・素敵です。
そしていよいよ展示エリアに入ります。
まずは「タッチプール」。案内が黒板に書かれています。さらにタッチプール自体は洗面台を利用しています。
ミズは海水なので、蛇口は使えないようになっていますが、苦労した痕跡を感じます。
黒板の説明を見ると、「漁師さんに取ってきてもらった」とあります。水族館ながら食用の生き物を分けてもらっているということになります。
調達はほかの水族館とは全く違うようです。なので、タッチプールにいる生き物は食べられるものばかりです(笑)。
そしてとくに展示物のない教室が残されています。"廃校"になる前の状態を説明しているものと思います。
しかし、小学校ってこんなに天井低かったかなぁ・・・と小学校の教室を見るといつも思います。
今は絶滅してしまったOHPの展示もあります。説明書きには「平成生まれはほとんど知らない」との記載…納得・・・
ここからいよいよ展示エリア。という過去の展示エリアが廊下なんですが・・・。まずはテレビでも見たことがある跳び箱を利用した水槽。この小学校は跳び箱がたくさんあったようですね。
続いて「ゴンズイ」「ミノカサゴ」。水槽には擬岩や擬木を入れたりという装飾はありません。水族館の水槽というよりはペットショップに近い感覚ですね
続いてウツボ。こちらはチューブに入っている姿が見えるようにしてあります。
どの水槽も海水も水槽もとても綺麗な状態なので見学しやすいです。マメに清掃しているのはさすがです。
続いて教室内に入ります。今度は大きめの水槽にウミガメが登場。中央にはウミガメの親、壁際には子供ウミガメがいます。室戸岬周辺はウミガメの産卵地があるそうです。子供のウミガメは2019年生まれだそうです。
ウミガメ水槽の隣にはエビカニのエリアがあり、ここでは"何種類いるか調べる「課題」"が出されています。
ちなみにどの生き物もこの近辺で獲れたものらしいです。
水槽の間にはガチャがあったり、微妙に小金稼ぐ仕組みもあります。この辺りは大きな水族館と同じような商魂がありますね。
この先展示エリアは再び廊下に戻ります。周辺の海に住んでいる小さ目の生き物がいくつか展示されています。
続いて隣の教室に入ります。ここにも中央に大きめの水槽。釣りで登場する魚たちが多くいます。
隣には、魚とカニの競演。魚はアカエソというそうです。かまぼこの原料として有名ですが、生きた状態で初めて見ました。
隣にもう一つ教室がありまして、ここではエイなどがいます。
この水槽の魚はどれも愛想がいいです。カメラを近づけると寄ってきます。
この水槽の隣にあるのが「飼育員楽々システム」と書かれた水槽。要は曇ることが多いのでお客さん自身で拭いてみてください。ということです。
ここまで来ると2階は終了。3階に向かいます。階段の踊り場は上り終わった後にはいろんなものがあります。
3階は家庭科室や理科室になっているようです。家庭科室は団体利用時に地元の漁師さんから調理を学んだりするプログラムで利用するそうで、一般客には開放していないそうです。
続いて廊下ですが2階とは雰囲気が違って、瓶に入った標本が並べられています。魚の説明というよりは食べたら美味しいとか、人間の味覚についての説明が多いのが特徴的です。
味つながりでしょうか?CDプレーヤーから音が聞こえてきます。地元の高校生が作った歌だそうです。3階のBGMとしてヘビロテされています。確かに歌詞が「甘酸っぱい」・・・。
隣の理科室。理科室の準備室は骨格の展示エリアです。案内の骸骨の手についてる案内がパウチ丸出しで面白い。
骨格に関しては色々あります。この施設内で最も学術的なエリアみたいですね(笑)
理科室での展示は生きている状態が半分、標本半分という感じでしょうか?
生きているものではカニ、イモリ、すっぽんなど日本古来の生き物たちです。
一方で近年生態系の問題となりつつある外来種。バスやブルーギルも展示されています。
理科室だけあって、展示内容はかなり真剣です。
理科室の隣は音楽室。こちらは小さい子供が遊べるようなスペースもあります。
ほら貝は昔からあったとは思えませんが・・・。
再び、廊下に出るとまた手洗い所を使っての水槽。さらに防火用のバケツで金魚を飼っています。
最後の展示エリアは「図書室」。展示エリアというより半分倉庫みたいになっていますが・・・。
外のプールを回っている仲間を待つ間、座って休憩したい人たちのためのスペースのようにも感じます。
屋内の展示エリアはこれで終了です。
残るは屋外大水槽(25メートルプール)です。案内の隣にはおみくじもあります。何の神社なのかはわかりませんでした。
3階から2階に階段で降りてから、屋外大水槽に向かいます。
屋根が一部あるのですが、雨天時のために傘も用意されています。
階段の上から屋外大水槽を覗き込んでみると確かに鮫がいますね・・・結構元気に泳いでいます。
続いて階段を下って、大水槽に近づいてみます。プールなので基本上から見ることになります。
鮫を上から見る水槽・・・ほかの水族館では味わえない体験です。
大水槽は2カ所あって、鮫がいない方はウミガメがいます。
説明によると6月~8月は鮫の赤ちゃんが見れるようです。この時期がお勧めかもしれません。
屋外大水槽ではエサやりもできるようです。200円でエサが販売されています。
屋外大水槽を端から見ると、プールをうまく改装したことがよくわかりますね。
学校内の展示エリアはここで終了です。
外には「課外授業コーナー」と書かれたところがあります。
高知県は昔から捕鯨が盛んな地域です。捕鯨のための装備品が展示されていました。
初めて来ましたが、近隣で"漁師さんが獲ってきてくれた"生き物を中心に展示しているのですが、ユーモアに富んでいて十分楽しめました。
学校なのでエレベーターやエスカレーターがないので、上下移動が大変とぼやいていたご老人にも会いましたが、これもこの施設の魅力と受け止めた方がいいようです。
スタッフさんにもほとんど会うこともなく、ひたすら自分で見るだけの水族館ですが面白かったです。
最後に、始めて来た施設恒例のトイレチェックです。
学校当時のままかと思ったら、さすがにトイレは新しくなっていました。
追記
この施設には飲食店舗などはありませんので、近くの道の駅などを利用しましょう。せっかくここまで来たのですから室戸岬の見学も合わせてするのがお勧めです。
クジラの刺身・・・美味しかったです。
高知県室戸市室戸岬町の旧椎名小学校を改修した「むろと廃校水族館」。屋外プールと校舎内に設置した水槽には、ブリやサバ、地元の定置網にかかったカメなどがゆったりと泳ぎます。学校でありながら水族館で、水族館でありながら学校です。
TEL |
0887-22-0815 |
住所 |
〒781-7101 高知県室戸市室戸岬町533-2 |
URL |
https://www.city.muroto.kochi.jp/pages/page0343.php |
入場料 |
大人(高校生以上)600円、子供(小・中学生)300円 |
開園時間 |
4月~9月 9:00~18:00 10月~3月 9:00~17:00 年中無休 |
アクセス |
高知自動車道南国ICより車で約2時間 高知龍馬空港から車で1時間40分 高知東部交通バス・安芸甲浦線「むろと廃校水族館前」下車徒歩1分 |
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