土佐の国のためのお城@高知城
NO.476
高知城
日時 2020年11月 6日
高知市内に戻ってきて夕暮れまでの時間を過ごせる場所を探しています。高知といえば街を挙げて推しているのが"坂本龍馬"。駅前には中岡慎太郎、武市半平太の維新三傑の像もあります。
もう一つ、高知の路面電車も楽しみです。路線図を見ながら近いところを探すとお城が近そうなので行ってみることにしました。日暮れと閉館時間との戦いになりそうです。
出発地の高知駅には「電中八策」と書かれた楽しみ方が書かれています。
路面電車の高知城前で降りるとお城は目の前です。高知城は日本で唯一本丸の建築群がすべて残っているお城です。
創建したのは土佐藩主になった山内一豊。歴史系のゲームでは土佐といえば長曾我部元親が有名ですが、関ケ原の戦いで負け組になったため、このお城ができるころには歴史の舞台から退場しています。
観光用の復元されたものでないので、通路は昔のままですから非常に身体に厳しいです。しかも今回は閉館時間前に天守にたどり着かなければならないため、まずは撮影はそっちのけでひたすら天守を目指しました。
この先、天守に近づくほど明るくなっているのは入口周りに近いほど遅い時間に撮影したからですので、あらかじめご了承ください。
まずは城門です。「追手門」と言います。両脇にある石垣は場内でも最も大きい石だそうです。
ここを抜けるとまずトイレやロッカーなどの設備がある建物があります。これは観光用に増築したもののようです。そしてこの先の通路がかなり厳しいことを暗示する無料貸し出しされている「杖」があります。
高知城もコロナ対策で、ソーシャルディスタンスを確保することや体調不良者の入場禁止などの措置があります。
土佐の維新に関わった人の中では坂本龍馬ほどの知名度がない板垣退助の像がこのエリアにあります。
創建した山内一豊はお城の外で、板垣退助が中にある・・・ちょっと扱いに不満があります・・・。
ここからは階段です。お城はバリアフリーなど全く意識されていませんので急こう配を登ります。途中にはおなじみの山内一豊の妻千代が馬の資金をへそくりから出す話・・・に関わる像などもあります。
この階段を上る際に見学できるのが「石樋」。これは排水が石垣に直接当たらないようにするための排水設備。こうしたものが現存しているのは非常に珍しいそうです。
さらに石垣がピタッとのり面があっている作り。これは1600年代の創建時のものだそうで、当時の最先端技術だそうです。
さらには三の丸の石垣。こちらは平成に入って改修工事がされたそうです。
そして井戸・・・お城が利用されているときには城主も利用する水源だったとのことです。
色々見ながら進むのですが、階段は斜度がどんどん上がります。詰門と呼ばれる本丸と二の丸の渡り廊下のような施設が見えてきたのでいよいよか・・と思ったのですが、ここをさらに迂回させられて再び急傾斜の階段・・・。本末は目の前に見えるのですがなかなかたどり着きません。
やっと、詰門の入口にたどり着きました。ここは本丸に上がる前の待合室みたいな場所のようです。
身分によって利用できる場所が区切られています。そしてここを抜けて最後に少し階段を上ります。
やっと・・・本丸に到着しました。まだ閉館までは1時間くらいあるので安心して見れます。
本丸は土足禁止なので靴はロッカーに入れます。ロッカーの反対側でチケット買います。高知城は写真OKなのですが、昨今の儀式である検温と手指消毒をしてから入館します。
入館した場所周辺はカーペットが敷いてあるので、足が冷たくなることがないのはありがたいです。
最初に出てくるのは大きめの展示物。山内家の家紋は「三つ柏」という形です。これは三菱の社章の基になったそうです。
かつての大河ドラマ「功名が辻」の記念品もあります。打掛は仲間由紀恵さんが着用したものだそうです。
部屋の作りは書院造という室町時代以降の武士の定番ともいえる造りです。通路になっている廊下は天井がそこそこあるのですが、部屋の欄干などは低いので注意が必要です。
殿様専用のトイレ「雪隠」。その前室も昔のままだそうですが、現在はこのエリアは手前から見ることしかできません。
お城は本来は要塞として利用できるものなので、軍事目的の施設も残されています。
物見窓、石落とし、鉄砲を構える窓(銃眼)などもあります。実際のぞいてみることもできます。
そしてこの階の最後には、山内家が統治していた時代を再現したジオラマもあります。築城時の様子や、城下町の風景などを再現しています。設置されているボタンを押すと土佐弁で解説が聞けます。土佐弁・・・難しい・・・。
一つ上に階段を上ると、高知城の全景のジオラマ展示。壁面は高知城に関してのいろんな説明があります。創建当初の状態と言っても、何度か改修工事が行われている高知城のことも色々書かれています。
天井が低いので柱の周辺では背の高い人は注意しましょう。
そしてこの先は急階段を登って上の階に進みます。急なことと気に塗られたワックスで滑りやすいので注意しましょう。
この階では窓越しに見える街並みや、お城のシンボルでもある鯱(シャチホコ)を間近で見ることができます。
このフロアでは全国の創建当時の姿で保存されているお城の紹介コーナーもあります。全国で12か所あるそうです。四国内は高知城、松山城、宇和島城、丸亀城と4つもあります。
そして最後の急階段、しかも途中で直角に曲がる長さも長めの階段を登りきると天守の最上階です。
最上階では建物の外の今でいうベランダ部分に出ることもできます。眺望は最高ですね。
高知市内のほとんどの場所が見渡せます。天気が良くて良かった・・・。
さて、天守はここまでですので、急な階段を降りて1階に戻ります。
展示エリアはもう一つあります。東多聞、廊下門、西多聞と呼ばれるところで、本丸の玄関口を取り囲むように設置された建物です。通路は東多聞→廊下門→西多聞の順で見学して、来た道を戻ります。
東多聞で初めて戦国の四国の雄「長宗我部元親」の話が出てきます。
廊下門では土佐の産業振興の歴史についての展示エリア。
土佐といえばカツオや捕鯨が有名ですがこれは江戸時代に始まったものでそれ以前は林業などが中心だったそうです。
そして、西多聞は江戸時代の服(坂本龍馬と山内容堂)の複製品や、土佐の陶芸品などの展示エリアです。
展示エリアはこれで終了で、入口(帰りは出口)に戻ってきます。出口にはお土産品の販売コーナーもあります。
お城というと近代に復元されたものは内部が歴史博物館になっているところが多いのですが、高知城は創建当時の状態が維持されているため、高知城の隣には歴史博物館があります。
こちらでは長曾我部時代から現代にいたるまでの土佐、高知の歴史をじっくり見ることができます。こちらの博物館は写真OKなので一緒に見ておくとより高知城のことが深く理解できます。
建物の3階部分が博物館の展示エリアになっています。展望室もありここから見える高知城は晴れていると綺麗です。
ちなみに高知城は閉館されたのちライトアップされるようです。
さらに高知城前の追手門通りは日曜日になると「日曜市」というフリーマーケットを実施してます。高知城の前からはりまや橋の通りまでいろんなお店が出ています。
この通り沿いには現在高知で最も元気のある施設と言えると思いますが、24時間営業の屋台村「ひろめ市場」があります。カツオのたたきなどの名物料理を食べながらお酒が飲める施設。午前中から酔っぱらえるという素敵な施設です。
高知城は創建当時の状態が維持されている施設であり、地元の人のシンボルの施設であることがよくわかります。
急な階段を汗かきながら登る価値のある施設でした。
そして最後に、初めて来た施設恒例のトイレチェックです。このトイレはお城の入口にあるものです。
最近できたか?改装されたと思われます。とってもきれいです。
高知城は高知県高知市(土佐国土佐郡高知)にある日本の城。別名鷹城。江戸時代には土佐藩の藩庁が置かれた。江戸時代に建造された天守や本丸御殿(なお、天守と本丸御殿が両方現存しているのは高知城のみである)、追手門等が現存し(天守と追手門が両方現存している城は全国で弘前城・丸亀城・高知城の3ヶ所)、城跡は国の史跡に指定されている。日本100名城に選定されている。
TEL |
088-824-5701 |
住所 |
〒780-0850 高知市丸ノ内一丁目2番1号 |
URL |
https://kochipark.jp/kochijyo/ |
入場料 |
18歳以上 420円、18歳未満無料 |
開園時間 |
9:00~17:00 休館日あり |
アクセス |
市電、バス 高知城前より徒歩5分 |
地図(GoogleMAP)
天気予報(ハリテンより)
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- 2020/11/06
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