サービスレベルの高い公共施設
No.0027
昭和記念公園レインボープール
視察日時 2000年 8月 15日
更衣まで
前日の「しらこばと水上公園」に続いて、公営プール視察シリーズ第二段であります。しらこばとに比べると、今日はグレードアップして「国営」です。昭和の森公園は東京の西地区にすんでいる人なら、一度は来たことがあるといっても過言ではないくらい、遠足や日帰りレジャーのメッカなのです。家庭を持たない小生は10年ぶりくらいでしょうか?
昭和の森公園はJR青梅線の西立川の正面です。「昭和の森公園駅」にしても良いのではと思うくらい近いのですが、昭和の森公園ができる前からあった駅なのでしょうがないでしょう。立川から一駅なんですが、この青梅線思ったより間隔が開いていて、うまくしないと結構待たされる羽目になります。週末は東京や新宿から「ホリデー快速」なんて電車も運行されているようですが・・・
西立川駅は二つの出口がありますが、昭和の森公園側の西口は、公園の営業終了の後、閉められてしまいます。なにせ公園以外は何もないので・・・。その分、公園までのアクセスは抜群です。駅を降りて100メートルもしないでもうチケット売場です。
改札は正面入口の左側にあります。手売りと自動券売機の併用で、手売りは2ブース、自動券売機は7ブースあります。自販機は何度か入れ替えされているようで、高額紙幣(5000円以上)が使える自販機と、そうでないのでは若干形状が違います。
どちらも共通しているのは、3枚まで枚数が選択できることです。大人だったら大人1~3枚までのボタンがあります。但し、新型器でないとまとめ買いはできません。
チケットは高速道路のサービスエリアの定食屋さんの食券に近いです。中央からもぎります。残りの半券はプールの入口で渡します。無くさないように・・・。
中に入るとパンフレットのラックに、次回入場割引券付きのチラシを発見!その横にはベビーカーのレンタルがあります。さすがに国営です。一日使って150円!
レインボープールは入口から見て左側なんですが、なぜか右側にプールで使うグッズを売っている売店が・・・。
さてさて、入口からプールまでは歩いて5分くらい。プランターや花畑など緑に囲まれた道です。なかなか雰囲気良いではないですか・・・。これで天気が良ければ・・・。
自転車置き場が植栽の向こう側に見えます。かなりの数です。場内は混雑しているかも・・・。
プールが近づいてくると、縁日を意識した物販、飲食施設が・・・「昭和通り商店街」と書かれています。プールで使う浮き輪やサンダル、敷物・・・やはり3種の神器はきちんと置いてあります。飲食の方やラーメン、焼きそば、たこ焼き・・・等のこちらも定番アイテムが揃っています。プールからの水着を着たままの利用もできるので、水着で利用している人もいます。
いよいよ入場ゲートです。ゲートの前にはチケットの発券所。突然気が変わって泳ぎたくなっても大丈夫です。さらにビール会社の抽選会が行われるなど、公営施設らしくない雰囲気です。
再入場口もすぐに確認できる場所にあります。一人スタッフが寂しそうに待っていました。改札は1ブースというよりは、単に柵で道を仕切っているだけ。4人くらいの女性のスタッフが待ち受けてくれます。
チケットの残りを女性に渡すと中に入れます。更衣室は男女別々、更衣室の手前で履き物は脱ぎます。
履き物を脱ぐスペースには電話が一台と、両替機が1台(5000円以上は使えません)、ものをおける棚があります。履き物を抜いたところは人工芝のマットです。
更衣室はロッカーがドドーンと3000個近く並べられています。上下2段の大型は200円、5段の小型は100円です。
更衣室内には更衣ブース、シャワー、トイレ、ドレッサー、洗面台、洗濯機があります。
シャワーブースですが、水はけが悪いのかシャワーを浴びていると水がたまっていきます。さらにシャワーは温水ですがボタンを押してしばらくすると水が止まるので、何度も押さないと長く使えません。
洗濯機は脱水槽のみ使われています。べつにここまで来て洗濯する人はまずいないでしょうが・・・。
ドレッサーはドライヤーが置いてあります。無料です。洗面台はありますが水道はありません。なぜ・・・?
洗面台はトイレの横に併設しています。大きなシンクで清潔感があります。また通常は閉まっていますが、女性トイレ側に抜けられるドアもあり、営業終了後の清掃は同時にできるようになっているようです。
ロッカールームの床質は網目状の樹脂でできています。水はけが良いんですが素足だとちょっと痛い感じがします。
ロッカールームでのトラブルのため、プールよりの更衣室の出口には「ロッカーのトラブル相談」のコーナーがあり、オジさんとオバさん(まぁ男女は必要だ)がいます。
さらに、ロッカートラブルコーナーの反対は、水回り小物の販売ブースになっていて、兼務しています。
このコーナーを挟んで、男女に分けられた更衣ブースからの動線は再び一つになり、プールへと続きます。このエリアにはコンプレッサーがあり、浮き輪の空気も入れられます。
さぁプールへGO!
プールサイドにて
更衣室から出ると、シャワーと足洗がお出迎えします。シャワーは手で捻るタイプ。かなり勢い良く水が出ます。またシャワーの両サイドは洗眼器。なかなか機能的です。プールエリアは原則として土足やサンダルは禁止ですが、注意はされません。今日は曇りでプールサイドも熱くないので、裸足で行きましょう!
では、いつもの通り場内を時計と反対側に回っていきましょう・・・(なぜいつも反対なのか・・・??)。レインボープールは各プールに名前と広さや深さなどの特徴が書かれた案内板が立っています。
プールサイドはコンクリート材質です。裸足で歩くとややザラザラしています。毎週サンダルはいて視察に行っているため、現在靴ズレだらけの足の裏にとっては結構、しんどいです。
場内は割合広々しているのと、いろんな場所に日陰を作っています。木あり、屋根あり、パラソルあり・・・。飲食施設の喫食スペースのためのパラソル&チェアーもありますが、純粋に休憩のためのパラソル&チェアーもあります。
場内の入りは7割位でしょうか?ブタ混みってほどではありません(豊島園以来どこに行ってもそう思うようになった・・・)。
休憩場所(陣地)になりそうなところはどこもなかなか凝っていて良い雰囲気です。
また、有料ゾーンもあります。1日800円のチェアーと1200円のブース。なぜかハーブティのサービスがあります。あれあんまりおいしくないんだけどねぇ・・・
レンタルもあります。1時間200円でボートを貸してくれます。
流水プールの周りは、コンクリートの材質が少し違って滑らないようになっています。造波プールの周りは滑らないようになっているのと、少し弾力のある素材が使われています。
造波プールのそばには現在の時刻と水温が電光表示されています。ただこれに気が付く人はなかなかいないでしょう・・・。
昨今のガーデニングブームを反映してか、場内には休憩ブースの展示イベントがありました。いくつかのブースは実際にその中で休憩しても良いようになっています。
ちょっとやり過ぎ・・・って感じのブースもいくつかありますが・・・。
またプールとは別にドライ遊具を集めたキッズエリアと授乳室もあるようです。
基本的には家族を意識したプールサイドです・・・。一人で来た人を意識したものは何一つ無い・・・当たり前だって・・・
プールにて
えぇ・・・これをプール?というものもあるのですが、レインボープールは全部で9つのプールがあります。各プールにはプール名称と特徴を記した案内板があります。
幼児プール
その名の通り、幼児向けのプールです。口から水をふいている動物の置物があります。床面はすり鉢状になっています。プールというより水たまりに近いイメージです。
子供(乳児~幼児くらい)と保護者が遊んでいたり、ビデオを撮っている保護者が目立ちます。
モニュメントプール
ジャングルジムの下に水たまりができたようなプールです。ここもどちらかというと幼児向けです。
冒険プール・渓流プール
プール+アトラクションの小児向けのプールです。小学生くらいがターゲットでしょうか?水深は80センチと40センチ。中にはいくつかの小アトラクションがあります。
ロープと滑り台は全て監視員が付いています。プール内は親子が圧倒的に多いです。
大滝プール
どっから見ても水たまりなんですけど・・・う~ん・・・
流水プール
定番の流れるプールです。1周は360メートルです。場内2カ所に車椅子から降りて入れるようなスロープの入口があります。
スライダープール
スライダーは全て無料です。ここのスライダーはボディースライダーのコースをスポンジの板を敷いて滑るという特徴があります。なんだかなぁ・・・と思ったのですが、これが意外とおもしろい・・・草っぱらを段ボール敷いて滑る雰囲気です。全部で4コースですが、やっぱり一番長いコースがおもしろい!
監視員は下1名、上2名。下の合図で出発を指示します。
大波プール
造波プールです。水深は120センチ、波は最大で80センチ出ます。最も大きいプールです。場内は造波装置側に監視員3名、ライフガードセンターと巡回がビーチ側から監視しています。床面は弾力があり、安全性もなかなかです。
プールサイド側は茅葺き屋根風の休憩ブースでなかなか良い雰囲気です。
クローバープール
形が四つ葉のクローバーのようになっているからだそうです。単純に泳ぎたい人はこのプールがお奨めです。一部分はコースロープが張られていて、純粋に泳ぎたい人は・・・どんどん・・・
といった感じです。どれが気に入りました・・・?
飲食と物販
物販は入口にあった小物売場以外はあまりありません。目に付くのは飲料の自販機です。
さすが、公営施設、コカコーラ、アサヒ、UCC・・・なんでもあります。しかも全部定価に近い。さすがにカンは置いていませんが、ペットボトルはあります。
ちょっと目に付きづらいところにはドリンクバーもありますが、こちらはペットボトル専門。ラムネのペットボトルもあります。
飲食はセルフ方式。頼んで、支払い、テーブル付きのイスで食べる。空いているイスが多いので助かります。
ちなみに食べたものは分別収集です。大きなゴミ箱にはゴミ袋がクリップ止めしてあります。
回収はかなりまめにやっています。袋に詰めて、リヤカーで運んでいます。結構大胆ねぇ・・・。
この他には、出店がいくつかあります。なかなか凝っていて見ているだけで楽しいです。あまり小生の好きな食べ物がないので買わなかったけど・・・
公営施設の割には非常に自由な飲食運営です・・・。
感想
公営施設2日目ですが、昨日に続いて「やるなぁ・・・」という感じです。見ていてよくわかるのは明らかにターゲットをファミリー、しかも小学生くらいの子供を持つファミリーに絞っている点です。
子供の喜びそうなものを揃え、子供が怪我しそうなところはきっちり監視員がガードしています。
場内では、休憩場所(陣地)が広くとってあり、日陰の作り方など工夫されています。この点はしらこばと水上公園と共通するところがあります。というよりしらこばと水上公園が真似したという感じです。結構、似てるものがありますよ・・・。
まさに国税を地方に分配するアイデアの財政投融資とでもいうのでしょうか?いろいろ物議を醸している財政投融資ですが、こういう形の投融資は積極的にして欲しいものです。
公営施設二連戦でしたが、やはり土地が広いことは何よりも良いことです。この点はやはりお上の施設でないと無理なのかなぁ・・・。
飲食に関しては、そこらの民間施設に負けないくらい立派です。四川ラーメンを食べたんですが、まぁまぁ・・・。普通のラーメン屋でこれに劣るところがいっぱいあるように感じます。それにクレープやアイス屋などアイデアショップのようで、とても国営とは思えない柔軟さ・・・見習う点は多い・・・。屋外プールは夏しか営業できないことを考えると、こうした出店風のアイデアショップっぽいお店の方がいいのかもしれません・・・。考えさせられる一日です。
ちなみに出口を出るときに、次回割引券をもらいました。凄い・・・やるなぁ公営施設・・・。
危うし民間!どうする民間!次回に続く!
国営昭和記念公園(Showa Kinen Park , Showa Commemorative National Government Park)は、東京都立川市と昭島市に跨る日本の国営公園。
TEL | 042-528-1751 |
住所 | 〒190-8558 東京都立川市緑町3173 |
URL | http://www.showakinen-koen.jp/ |
入場料 | 大人 450円 65歳以上 210円 中学生以下 無料※プールなどの施設は有料 |
開園時間 | 9時30分~17時00分(夏時期は18時00分、冬季は16時30分と変動あり) |
アクセス | JR青梅線 西立川駅より徒歩2分 中央自動車道国立府中IC下車。国道20号線を立川方面へ。日野橋交差点を右折。 |
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