淡水、昼夜入れ替え制、すべてが斬新@川崎水族館
NO.467
カワスイ(川崎水族館)
日時 2020年 8月26日
商業施設の中の水族館「ジュエリーアクアリウム」を見ました。木更津から東京湾を挟んだ対岸の川崎に移動します。実は木更津と川崎は東京湾アクアラインを使うとほぼ直線の位置関係。1時間ほどで移動できます。
アクアラインを通過するのはとても久しぶりなので興味深々でしたが、車中で爆睡して気が付いたら川崎市内に入っていました(泣)
次の目的地は7月に開業した新しい水族館「カワスイ」です。カワスイは愛称で正式名称は「川崎水族館」です。
この施設は日本で初めて商業施設ビルをリノベーションした水族館で、構造上大きな水槽などが入れられないという制約を受けながら作った施設なんだそうです。これもまた斬新です。
場所は川崎駅の隣とも言っていい極めて至近な場所。「LeFRONT(ルフロン)」の中にあります。ヨドバシカメラやLIFE、XEBIOなど商業施設のキーテナントとしては有名な店舗に交じってカワスイの文字が映えます。
今日二つ目のショッピングモールの中にある水族館なのです。ただしこちらは常設の水族館。商業施設の建物の中に水族館があるという形態はおそらくここだけでしょう。
LeFRONTのメインエントランスにある案内板には大きくカワスイが宣伝してあります。フロアガイドを見るとカワスイの上が屋上でフットサルコートがあり、カワスイのあるフロアには焼き肉の叙々苑、さらに一層下には学習塾なども入っています。
水族館が一番上のフロアであるのにも驚くのですが、学習塾の上のフロアが水族館というフロア構成も日本ではここでしか見れないのではないでしょうか?
ビルの1階右側の入口から入店します。スーパーマーケットの脇にある緑色の床に沿って進むと10階への直通エレベーターが見えてきます。これで10階まで一気に移動します。
エレベーターを降りると「カワスイ」の文字が見えてきますので、また、緑の通路に沿って進むとチケット売り場に到着します。
そしてカワスイの入口に到着。隣は叙々苑です。チケット売り場は対面式の白を基調にした綺麗な雰囲気です。スタンションで区切られていますが、それほど並ぶこともなくチケットは買えました。
この施設の斬新で面白いのがチケットの料金体系。17時で一度閉めて18時から再開します。このためチケットは17時までのものと18時以降(今日は22時まで)のものがそれぞれ2000円。両方の時間利用したい場合には「共通券」を3000円で買います。
最近の水族館の流行でもある年間パスポートの販売ももちろんあります。2回で元が取れるような料金でとてもリーズナブルです。
発券所と改札の脇にはカフェもあります。案内看板がちょっと残念な感じでした・・・なんでメニュー貼ったんだろうか?
消毒、検温、マスクの確認と新しい生活様式で欠かせない三大チェックを行った後に入館できます。
ちなみに、チケットを買った人は扉のある改札から、年間パスポートの人は隣の通路から入るようです。ゲストがまだ慣れてないので改札のスタッフさんは右往左往することもあるようです。
実体験があったので先に紹介しておきますが、共通券を買った人は出口では再入館の手続きをしておきましょう。これをしないと正式には18時以降にまた入ることができなくなるようです。
田舎から来た独りのおっさんにはとてもやさしいスタッフさんで助かりました。ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。
最近の水族館は改札抜けた直後のアプローチ部分が各館特徴があって面白いです。
カワスイはモノクロ調の壁面にプロジェクションマッピングで動物たちが動き回るという趣向。ジャングルの中をイメージしているようです。ただしゴリラはカワスイにはいません。
最初のゾーンは「多摩川」。川崎と東京を分け隔てる関東有数の一級河川です。
多摩川流域に生息する在来種の展示エリアです。壁面には多摩川の河川敷をプロジェクションマッピングで投影して雰囲気を醸し出しています。最近多摩川は「タマゾン川」と言われるくらいに外来種が多くなったそうですが、ここには外来種はいません。
昼と夜で雰囲気が変わるカワスイですが、多摩川のエリアに関しては夜はこんな感じです。夜というよりは夕方の雰囲気なのですがもっと遅くなると夜になるようです。魚の撮影にはちょっと不利ですね。
多摩川水系の水槽の反対には「アカハライモリをさがしてね」という文字が水槽に書かれていました。反対側に回るとどうやらこれのようなのですが、腹を見せてくれなかったので赤くなっていたかは確認できませんでした。しっぽの形が特徴的です。そしてイモリにしては良く動きますね。
カワスイには水槽前に展示生物の説明ボードがありません。あるのはQRコードで、これを読み取ると展示生物の説明がスマホに出てきます。これからの時代はこの方式が主流になっていくのでしょうかね?
おかげで説明を読むための渋滞がなくなっているのはありがたいことではあります。
多摩川の次は一気に海外に向かいます。「オセアニア・アジア」ゾーン。
多摩川のエリアに比べると生き物はだいぶ大きくなりました。アロワナ?と思ったら「ノーマンバラムンディ」という別種だそうです。ちなみにオーストラリアのアロワナと言われているそうです。
展示生物は入っている水槽も他の水族館と比べると小さめです。この水族館は商業ビル内にあるため大きな水槽を利用することが構造上難しいので、こうした小さ目な水槽を使っているそうです。っとガイアの夜明けで紹介されていました。
冒頭でも説明しましたがこの施設は18時を境に雰囲気が変わります。このため夜だけ活動するような生き物には説明が書かれています。大きな焼酎のキープボトルのように見える文字の雰囲気なのですが・・・
QRコードが威力を発揮するのは、動きが緩慢な生き物のときですね。説明を見ると確かに木の葉にそっくりです。
魚に混ざって鳥もいます。ワライカワセミというそうです。鳴き声が人が笑っている声らしいですがずっと仏頂面でした(涙)
夜だけ登場するというのが巷で人気が急上昇の「フクロモモンガ」。今日は姿見えず…残念・・・。
円筒形の水槽の中でガラスにへばりついているようなものもいます
この水族館では自然環境保全にも熱心で、水槽の下に人間が捨てたものが散乱している状態を再現している水槽もあります。
最近よく見かける下からのぞける水槽もあります。
続いてアフリカゾーン。照明が赤系の壁面になりました。
探してみましたが、卵は確認できず・・・。
水面に出る前にシャッターを切ってしまって・・・撮影失敗(泣)。
18時過ぎになると、水槽の背景が赤くなります。
この後、エスカレーターで一層下ります。次のエリアは「南アメリカ」。
南アメリカのエリアで珍しいのが「パンタナル」という世界で最も豊かな湿原を再現したエリア。
最初に現れる水槽は凹型に配置されていて中央部から見ると川の中から見ているような映像との融合が楽しめます。もちろん昼と夜では雰囲気が変わります。
水槽は小さめですが映像を組み合わせると奥行きが出て大きく見えます。
南米代表の爬虫類イグアナもいます。夜になると元気出すのかな?と思いきや場所を買えただけで動きはほとんど変わりませんでした
蛇のように見えますがこちらは肺魚。南米で唯一生き残っている種類だそうです。
このような説明もありますが、まだ寝ていないので普通の魚でした。
水族館といえばやはり巨大水槽は欠かせませんが、こちらは映像を使った巨大水槽。魚の映像はかなりリアルなので遠目から見ると十分本物っぽく見えます。
巨大水槽(映像)の次にあるのが「レンソイス」というエリア。ガイドマップには「水、砂、風、紺碧の色彩が輝く絶景の水辺」と書かれていますが・・どういうことか??
小さ目な水槽が並んでいますので順にみていきます。
ひたすらカエルでした・・・。
カエルの反対には「ゴールデンテトラ」と呼ばれているエリアがあります。
この先は「アクアラボ」。この水族館の裏側を垣間見ることができる施設だそうです。
悪人面の魚がいろいろ出迎えてくれます。
左にラボ、右に水槽を見ながらこのエリアは進みます。
最後のエリアが「アマゾン」。下層フロア(9階)は基本的に全部南アメリカで、最後にアマゾンに特化したエリアになっているようです。エリアへの入口は草が上から垂れています。
このエリアは昼と夜ではずいぶん雰囲気が変わります。夜は青い感じなんですがアマゾンってこんな感じの夜なんでしょうかね?
最初に目につくのが水族館では珍しい生き物「ナマケモノ」。若いせいかよく動くナマケモノです。
このエリアは一部外に出ることができるような構造ですが、現在はコロナ対策で閉鎖されています。
南米でおなじみの人気者カピバラ。まだ名前がないそうです。9月4日に決定するとのことです。
夜は寝てしまうのでカピバラには会えません。
昼間に比べると夜のライトアップはちょっと不気味な感じがします。
水槽には、アマゾンといえばこれという魚がたくさん泳いでいます。
アルマジロは隠れてお尻しか見えず・・・。このほかオニオオハシ(鳥)と過去の施設の目玉という生き物がいるんですが、お会いできませんでした。
アマゾンというとピラニアが有名なのですが、この外のゾーンではないところにいます。近くで見ると歯先はかなり鋭いです。
アマゾンのエリアを抜けると、エピローグ、出口と外に出る場所に来ます。
この施設では持続可能な開発目標(SDGs)を目指しているようで、パンフレットのリサイクルボックスがあります。これは日本では初めてではないでしょうか?
出口の改札を抜けると、最初に見えるのが「ふれあいパーク」。ここではモルモットが触れるようです。時間制なので実施時間に注意が必要です。
改札を抜けて正面には物販店舗があります。この店舗は水族館の料金の払っていない人も利用することができます。17時~18時の入れ替え時間中も営業しています。
入れ替え前に誰かがいたずらしたと思われるピラニアのぬいぐるみ。チンアナゴをかじっています。夜の部になってから来ると直っていました。
菓子類ではナマケモノとピラニアという他の施設ではなかなか見られないお菓子が一推しのようです。
個性的なオリジナルお菓子がいろいろあります。
駅弁みたいな包装紙ですが饅頭です。
ナマケモノがモチーフというのは珍しいですね。
淡水魚・・・とアピールしているところが面白いです。
デザイナーズTシャツの販売もあります。
エコバックまで売っています。水族館の物販店舗では初めて見ました。
この他有料ゾーンには飲食店舗もあるんですが、今日は時間がなかったので見ることができませんでした。こちらは次回の楽しみに撮っておきます。
カワスイは淡水に生息する魚に特化した水族館です。大きな水族館に行くと淡水魚の扱いは小さめなのですが、商業施設の中にあるという構造上の条件からこのようなテーマを選んでいると思われます。
多摩川という直近の場所からスタートして、オセアニア、アフリカ、南米と時間距離でいえばだんだん遠方になるようなエリア構成です。水族館ながらナマケモノやカピバラなどもいるので見ごたえは十分でした。
一回で全部見切るつもりでしたが、年パス買って次回に備えておくべきでした・・・失敗・・・
昼と夜での展示風景の変化ですがこちらは理解できる場所とできない場所がある感じがしたところはちょっと残念です。
まだできて間もないので、これからいろいろ変わっていくところに期待したいです。
2020年7月にオープンした水族館。川崎駅から至近の商業ビルの9階と10階を使っている水族館としては非常に珍しい施設。
淡水魚に特化した展示内容ですが、ナマケモノやカビバラなどの動物もいます。
17時~18時を一時休館時間として、昼の部夜の部で展示方式に変化を入れるなどの今までにない取り組みを行っています。
TEL | 044-222-3207 (受付時間 平日10:00~18:00) |
住所 | 〒210-0024 神奈川県川崎市川崎区日進町1−11 |
URL | https://kawa-sui.com/ |
入場料 | 共通チケット 大人 2,200円 高校生 1,700円 小中学生 1,400円 幼児(4歳以上) 800円 |
開園時間 | 昼の部 10:00~17:00、夜の部18:00~22:00 |
アクセス | JR川崎、京急川崎駅より徒歩3分 |
地図(GoogleMAP)
天気予報(ハリテンより)
視察履歴
- 2020/08/26
- 淡水、昼夜入れ替え制、すべてが斬新@川崎水族館