博物館で見る、未来の遊園地
NO.337
日本科学未来館
日時 2014年12月17日
レジャー施設にかかわる仕事いう意味では同じなのだが、コンサルタントからプロパー社員になってみると情報の入り方が違うものがいくつかある。
特に顕著なのが、流行しているイベントやアトラクションがどんなものか、これはコンサルタント時代には入手しにくいものであったが、プロパーになってみるといろんな業者からのプレゼンなどを受けられるようになり、いち早く入手できる。
そんな状況下で、最近顕著な流行の兆しが見えるのがプロジェクターを利用したイベントやアトラクション。LEDが普及してプロジェクター自体が高精度、低価格になったこともあり、映像を利用したレジャー機器が最近増えてきているようです。
今回は、映像機器を利用した限りなくアトラクションに近いイベントを視察するためにお台場は日本未来科学館にやってきました。
オープン以来、様々なイベントを定期的に実施し、お台場という立地もありここ数年では活況が続いている博物館です。
最寄り駅は、新交通ゆりかもめの「船の科学館」駅。
もちろん、船の科学館も人気の博物館ですが、ここ数年は耳にするのは日本科学未来館の方が多い気がします。
駅から歩くこと数分で到着しますが、すでに入口周辺には切符を求める人の列ができています。現在時刻はお昼過ぎ。この時間で列ができているということは中の混雑もなかなかのものではないでしょうか??
以前来たときには館内の自動販売機で購入した覚えがあるのですが、今回のチケット売り場は館外に設置されたブースです。
オープン時に外にあったものが、オープン後のリストラなどで館内に移されるというのはよく聞く話ですが、その反対というのはなかなか珍しいです。
これを見ただけでも、人気がどんどん上がっているように感じます。
切符は、通常展示を見るだけの場合と、今回の目的の企画展示を含めた料金の2本立て。これにドームシアターの別売りチケットもここで購入することができます。
外国人観光客の急速な増加にも対応してでしょうか?価格表は英語表記も見られます。
今回の目的は企画展示のエリアなのですが、セット券の内訳は、通常展示が600円、企画展示が1200円ということになります。
通常展示の倍額の企画展示。。。このパターンは初めてです。
時間はたっぷりあるので、まずは通常展示から見ることにしましょう。
以前にレポートしたこともありますが、日本科学未来館は7層の構造です。動線に沿って行けば、入口の1階から入場してエスカレーターをたどって7階へ進みます。ここから下に向かって見学しながら降りてくる。この方が身体にも負担が少なくていいんです。
とはいえ、7階は会議室やホールなどのフロアなので実際の展示は5階から。トイレに先に行っておきたい人は、7階まで上がってしまったほうが、トイレが空いてていいですよ(笑)
6階にはカフェがあります。以前来たときにはここまで賑わっていませんでしたが。。。今日は混雑しています。家族連れが多いところを見ると、やはり企画展示が影響しているんでしょうかね?
実際の展示フロアは5階から。「世界を探る」と銘打ったエリアです。
映画にもなった惑星探査衛星「はやぶさ」の後継機(展示してあるのは打ち上げるロケットのエンジンですが。。。)、深海を探査する潜水艇。ニュートリノの観測を行うための「スーパーカミオカンデ」。
NHKのドキュメントなどでしか見ていない人も多いかもしれませんが、ここには実物や実物大の模型など、限りなくリアルな状態で見ることができます。
宇宙基地ISSの宇宙居住棟にも入ることができます。SF小説のように地上と同じようには行かないようですが、こんな施設で実験を繰り返しているんですね、ということはよくわかります。
科学館の良いところは、テレビや写真でしか見たことがないものが、現実に近い状態で見ることができるという点ですね。
実際に自分の目線で見てみると、巨大さや精密さなどが本当によくわかります。
科学館に行くときに、重要な視察ポイントですね(笑)
5階の下は4階を飛ばして3階です。展示エリアは2層ずつ区切られています。従業員用のエリアは4階や2階があるんです。。
3階までは「オーバルブリッジ」と呼ばれる大きな螺旋スロープで移動します。
中央にある宙づりの地球儀のようなものを見ながら、下がっていきます。
3階は「未来をつくる」と銘打ったエリア。
ロボットやデジタルネットワークの展示が続きます。
このエリアで最も人気があるのは、もちろん。。。ASIMO。単独ライブショーもあります。あと、微妙に怖い雰囲気がある「オトナロイド」と名付けられた女性のアンドロイド。。。椅子に座っていますがやはり小さい子供は引いてしまうようです。。。
そして、またまた2層下がった1階が今回のお目当て。
「チームラボ 踊るアート展と、学ぶ未来の遊園地」
です。企画展としてのテーマは2つあるようですが、入口には強烈なアイキャッチになる大型のパネル。しかもその中心が入口。博物館の企画展としては非常に特異な入口の作り方です。さすがに、デジタル技術を駆使しているだけあって、スポンサーも「SONY」、「WINDOWS」などそれらしき名前が確認できます。
早速入るとまず目に入ってくるのが、フロアに敷き詰められた花。
もちろん、これはプロジェクターからの映像です。映像の繊細さもさることながら、自分の足の動きに合わせて花も動く。
人間って面白いですが、人工と分かっていながらこうした花を写メしてしまう。。。
このエリアは導入エリアですが長居する人は大人が多いですね。子供はあっという間に次に進んでしまいます。
続いては、壁面を使ったデジタルアート。
液晶をたくさんつなげた画面に、様々なアートが表示されます。
構造は極めてシンプルですが、その大きさと画像の繊細さは圧倒されますね。
続いて進んでいくと、子供たちがひしめき合っているエリアに出てきます。
ここが今大人気の「未来の遊園地」のエリア。
同じ色の積み木を動かすとその間に道路が伸びたり、バランスボールのようなボールで跳ねることで音楽が奏でられたり。。。
そして、一番人気が「お絵かき水族館」。
なんと、紙に書いた絵が、スクリーンを泳ぐ。。。という非常に斬新な水族館。
絵を描くゾーンと展示ゾーンで最も場所を割いていますが、それでも大人気です。
入口のスポンサーにペンメーカーが入っていたのはこのためだったんですねぇ。。。
ちなみに、大人も利用できますが、紙を渡す勇気がありませんでした。。。
仕組みはいたってシンプル。
紙で書いた絵をスキャナーで読み込み、それが大型スクリーンに投影されて動く。
っと、文章にすればこの程度ですが、実際に自分が書いたものが、スクリーンに映されて動くというのが子供にはたまらないようです。
ちなみに、水族館のほかにも、飛行機やロケットを映し出すエリアもあります。こちらも非常に人気があります。
書いた絵をスキャナーで取り込んで、画面で表示する。
これをアトラクション化するというのには驚きました。
まぁ、これだけのことが体験できれば大人も子供も1200円の価値はあると言えるでしょう。
今後は、デパートなどでもこうした展示が広がっていくんでしょうね。。。
恒久施設の遊園地は大変です。。。
日本科学未来館(英称:National Museum of Emerging Science and Innovation、愛称:Miraikan)は、東京都江東区青海の国際研究交流大学村内にある科学館である。
TEL | 03-3570-9151 |
住所 | 〒135-0064 東京都江東区青海2丁目3−6 |
URL | http://www.miraikan.jst.go.jp/ |
料金 | 大人 630円 18歳以下 210円 |
営業時間 | 10時00分~17時00分 |
アクセス | 新交通ゆりかもめ 船の科学館駅より徒歩5分 |
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