大混雑につき、何でもありでした
No.0022
としまえん
視察日時 2000年 8月 5日
到着まで
豊島園は遠い!小生の実家の最寄り駅は小田急線の鶴川。もし豊島園に行くとすれば、鶴川→新宿→池袋→練馬→豊島園という果てしない(と言うほど大げさでもないが・・・)旅行となるのである。
ところが、これをうち破る革新的な路線ができた。累積1兆円とも言える予算オーバーの末、今年の12月には全面開通する「都営12号線(大江戸線)」の完成である。これにより新宿からストレートで豊島園に行けるのだ!
しかに不幸は重なる・・・。引っ越し・・・現在の住まいは葛飾区・・・今度は都営浅草線→都営新宿線→都営大江戸線という3路線を使うのだ!
しかし、この施設は今年は外せない。やはり関東で最も集客の多いプール施設を見ずして、このプロジェクトの完遂は無いのだ!まさに開始10分にしてフィリオと対戦する100人組み手の数見肇氏状態である(それほど大げさでもない・・・)。
地下鉄だけで1時間近いのは結構しんどい。なぜなら地下鉄は景色が無いからだ!大江戸線はワールドカップで乗ったフランスのメトロのようにかわいい車両である。ただ地下深くに作られた路線のようで地上に出るまでは時間がかかる。
しっ・・・しかし、豊島園駅!近いじゃないか!駐車場の真横だぁ!しかも駐車場は満車で道路待ちの車が延々と続いている。なぜか勝ち誇った気分になれる自分が悲しい・・・。
狭い道に所狭しと売り物を並べた怪しげな豊島園商店街を抜けると、そこには豊島園がどーん!
しかし何か雰囲気が違う。なぜこんなに警備員が多いのだ!するとトラメガから案内の声が・・・
「本日は花火大会があります・・・」
そうなのだ。今日は豊島園の花火大会である。知らなかった・・・。まぁプールには関係ないから早く行こうっと・・・。
更衣まで
まずはさておき、チケットを買わないと先に進めません。豊島園のチケットブースはポコポコっと立っていて、これにスタンションが付いている形です。スタンションには身長制限に該当するアトラクションのための身長サイン(110センチ)が付いています。
ブースはブース番号のランプが点灯しているブースが開いているブースです。
ブースの内容はオーソドックスで、券種のサインが上に付いています。今日は入園+プール券を買ってみます。インターネットの割引券を渡して購入完了です。非常に出だし好調!
さぁチケットを買ったら改札です。改札に行くと一番左が社員通用口になっているようで、続々とスタッフが入っていきます。
今のところ入場の制限などは無いようで、改札もさほど混んでいません。改札でチケットをもぎられて、半券が残ります。「いってらっしゃ~い!」という元気な声をかけてもらって、気分も良く先に進みます(一人で・・・)。
振り返ると再入場は行っていないことを示すサインが見えます。さらに、園内で利用するベビーカーも見えます。
今日は花火大会もあるので、チケットとともに花火大会の記念の団扇も貰えます(ラッキー)。
園内にはいるとすぐにハイドロポリスのコースがドド~んと現れます。しかし今日も暑いなぁ・・・。園内は花火モードになっていてあちこちに花火関連のワーニングインフォメーションが有ります。
しばらく、歩いて左に折れるとプールの手前に出てきます。ここに出店があるのですが、店員がかなり積極的!「これはここでしか買えないよ!」とセールストーク炸裂しています。売ってるものはビーズ細工やTシャツなんかが中心ですが・・・。高校生くらいの女の子は買っていました。
プールの入口前まで来ると早くも花火の場所取りシートが現れます。
さぁいよいよ入場です。さすがにプールの入口は結構混雑しています。急遽プールに来る人のためにプール用のチケットブースもあります。
プールの入場は半券をもぎるだけ!スタッフの人は手際よく半券をもぎり、カウンターを押しています。どういう区分かはわかりませんが、かなり業師と見た。
この後プリペイドのタグ(「キャッシュレスタグ」と言います)を買うために再び並ぶのです。ちなみにドライのアトラクションを使う人はここで再入場のスタンプを押してもらいます。
坂を登ってタグを買うのですが、ここが結構混んでいる。なにせ2ブースしか無いのだから・・・。付近にはタグの説明とプールでの注意書きのサインが掲示されています。
20分ばかし並んで、いよいよ小生の順番。一番安い1500円のタグを買ってしまったら、なんと発券用のパソコンが止まったらしい・・・スタッフがごそごそいじって、しばらくしてリセットした。いわゆるノートパソコンを利用しているので、致し方ないような気もするが・・・一番安いのを買ったのがまずかったのかなぁ・・・。最近はパソコンPOSも増えたけど、まだまだ動作が安定しないようですねぇ・・・。
さぁタグも買ったし、いよいよ着替えですタグの発売ブースの奥が大きな更衣室、男女はロッカーを利用して区分しています。男性は手前、女性は奥側です。小生のように一人で来た人は良いですが、大抵はグループで来るのでここは待合い場所にもなっています。照明がちょっと暗いのですが、まぁ何するのにも不自由はありません。両替機もありますし、ゲームもあります。飲料も売っています。ロッカーは通路に面したところは大型でグループ用になっています(300円)。個人用は200円です。
放送で、「コイン式ですが係りに言えば開けて使えるようにします」ってことは閉まってから「アチャー」ということもなさそう・・・。まさにロッカー利用はバーリトゥード(何でもあり)です。但し、お金を入れないと巡回中のスタッフに中身を出されるので要注意!
ロッカールームはコンクリート製で、日陰なのでひんやりします。男女と言っても小さな女の子はお父さんと一緒に着替えていますので、その手の興味がある方は・・・(って馬鹿!)
ロッカーは7割くらいの利用率でしょうか。やはり上段に人気があります。でも最も人気があるのが上から2番目。ここが130センチくらいですから、小学生くらいにはちょうど良いのでしょう。
さぁ準備完了です。それではプールへGO!
プールサイドにて
いよいよプールに出ましょう!シャワーブースのある通路を通ってプールサイドへ出ます。
シャワーの裏手には洗面台、洗眼器が用意されています。使っている人は殆どいませんが・・・
出てみてびっくり!いやぁ「人、ひと、ヒト・・・・」大混雑です。座る場所はおろか、どうやって歩くかも悩むくらい、敷物と敷き人(はないけど・・・)でプールサイドも通路もビッシリ!
場内を1周しても、陣地が取れそうな場所がないので、緊急避難措置として有料シートを利用することにしました。一人で来るときはこの場所取りが本当に苦労します。と言うことでまずは有料シートから・・・
受付はロッカーを出て右の奥です。プールエリアで言うと一番右端が有料エリアになっています。造波プール(「サーフプール」)の一帯です。
受付でお金を2000円払い(タグでもOK!)。空いている場所を教えて貰えます。そしてリストバンド式のチケット(黄色)を腕に巻いてもらって準備は完了!
サーフプールの造波装置の上も有料エリアでこちらの方が見晴らしはいいのですが・・・すでに満席・・・。
有料席は1席単位で発売しますが、基本的に2つのデッキチェアーにパラソル1つという構成です。また有料席を利用すると灰皿を貸して貰えます。
有料席を使わない人も買えますが、300円でタオルが買えます。精算は有料席の受付です。
プールの周りは基本的にはコンクリート製です。やはり素足では熱くて歩けません。みんなサンダルで移動します。最低限の通路を確保するために、コンクリートに白線が引いてあり、このエリアは敷物などは敷けません。
人通りの多いところなどは緑にペイントしてありますが、効果は薄いようで熱い・・・。
ハイドロポリス側のプールやハイドロポリスの下部分は、コンクリートブロックなどが敷き詰められています。ただやはりここも熱い・・・。
この混雑では、もはやこれ以上の調査は・・・不可能です・・・。と言うわけで施設の調査を開始!
まずは救護室とインフォメーション。これはロッカーのすぐ脇にあります。
インフォメーションでは各プールの水温が表示されています。屋外で28度を超えていますから気温は35度以上あるのでは・・・。
続いてレンタルはロッカーを出て左方向に行ったところにあります。ここにはレンタル用品の他、コンプレッサーがあり空気を入れることができます。
浮き輪がよく出るようでひっきりなしに借りに来ています。
続いておもしろ系では「警察の詰め所」。何でも置き引きが多いらしくて場内でも放送で「貴重品はロッカーにしまいましょう」とアナウンス。私服警官も入っているそうです。私服の人はいないから「海パン警官」??
豊島園には待ち合わせようの塔があります。その名もズバリ「めぐりあい」。ここで待っているように伝えると良いそうですが・・・とても待てません・・・。
混んでいるところと言えば、トイレも負けていません。まぁ男性トイレは問題ないんですが、女性トイレはどこも大渋滞・・・。バーリトゥードといっても決してグレーシー一族の入場ではないので・・・。
もしかして、流水プールが汚いのは・・・ってホントに思ってしまいます。
プール
豊島園は昔からCMでもおなじみの通り7つのプールがあります。
波のプール(SURF POOL)
ウォーターパークの定番「造波プール」です。最深部は160センチの深さになりますが、波はそれほど大きくありません。
浮き輪を付けた子供が親と一緒にドンブラコ・・・と言う光景が目に付きます。若者系の人たちは波打ち際でトドしてます(全く近頃の若者と来たら・・・)。
特に持ち込みが禁止されているものなど無く、浮き輪、ビーチボール、シャチボート等々好き勝手に浮いています。さすがバーリトゥード・・・。
一定の時間で安全確認を行うために、全員上に上げられる時間があります。このときはプールサイドは大変です。一応プール内は滞留禁止になりますが、波打ち際は黙認さていました(しょうがないでしょう・・・)。
監視の時間帯は造波も止まります。水底の監視が終了すると造波を発生させて、造波が安定してから遊泳解禁となります。
流れるプール
これも定番「流水プール」です。距離にして約350メートル。陸上トラックより少し小さいくらいのイメージです。ここはもう大混雑。浮き輪で遊ぶ親子、抱き合って漂うカップル等々・・・ガンジス川の沐浴状態です。
深さは120センチで泳ぐことには支障はないのですが、水が何となく黄色がかって見えるのが不安です・・・。
ナイアガラプール
プールの端に滝があることでその名が付いているようです。基本的にはファミリー向けのプールです。
中には、大きな竜の浮き具が2つあり、子供が滑り台などで遊べるようになっています。
これだけの浮き具なので、プールサイドから空気を補充しないとしぼんでしまいます。従って浮き具に空気を送るコンプレッサーが付いています。
浮き具は順番にしっぽ側から登ります。監視員がきちんと順番をコントロールしていますが、途中で滑り落ちてもお構いなし・・・まさにここもバーリトゥード・・・。
このプールはファミリー向けということですから、小さい子供でも出入りが楽なように、プールサイド付近は段差が付いていて、プールから上がりやすいような工夫があります。飛び込みは禁止です!
飛び込みプール
このプールが豊島園の運営を象徴しているような気がします。流水プールの内側にあります。飛び込み台は1、3、5メートルの3段階。
基本的にどんな格好で飛び込んでもOK!但し後転飛び込みは禁止。
監視員は飛び込みの順番をコントロールすることと、飛び込みの終わった人をプールの外に誘導するだけ、後はどんどん「行って来い!」というのがお仕事ようです。
飛び込みまでバーリトゥード・・・です。
競泳プール
本気で泳ぎたい人のプールです。最も深いところは190センチの深さがあります。飛び込みは「人にぶつからないように気を付けて・・・」と言うことでOK!です。プールサイドは広めにとってありますが、すでに敷物でビッシリ・・・。
小プール
競泳プールで泳げない金槌の人はこちらへ・・・と言う感じでしょうか。競泳プールの隣にあります。おもしろいのはこの付近は幼児を意識してか、砂場や水系の遊び道具が多くなっています。
子供プール
入口から最も奥になりますが、ここは泳ぐというより「水辺デビュー」の子供たちのエリアです。当然ビデオ片手の親の姿も目に付きます。川状になっていて、曲がりくねったところであそべるようなプールです。
途中に滝などがあり、一番下には遊具もあります。
監視員は全体が見渡せる位置にテントがあり、その中に詰めています。
ハイドロポリス
プールではありませんが、今や豊島園の代名詞的な存在といえる施設でしょう。チューブとボディースライダーのコンプレックス。
ボディースライダーは無料ですが、チューブスライダーは500円取られます。こんな時はキャッシュレスタグは便利です。
チケットはリストバンドで、500円で一日中使えます。チューブの置いてあるところのすぐそばで買えます。
ボディースライダーは、2人まで同時に利用できます。カップルでラッコ状態で滑っている人も多くいます。チューブスライダーは一人用と二人用の2種類があります。浮き輪を選択しましょう!
スライダーの入口にはスライダーの直径と、利用時の注意。特に止まらないようにというサインが必ずあります。
滑走すると、途中マーカーがあってそれを通過したことを監視員が確認すると、次の日とスタートとなります。センサーもありますが、袋かぶって使っていませんでした。
物販飲食
飲食施設は売るだけ・・・食べる場所は自分で探しましょう!というのが基本です。なにせこの混雑、飲食用の場所なんか作ったらあっという間に・・・と言うことになるからでしょうか?
メニューはラーメン、カレー、焼きそばの3大定番は当然のこと、ホットドックやポテトなど脇役たちも定番のものが並んでいます。キャッシュレスタグを利用しても良いし、現金で払っても良い。まさに飲食もバーリトゥードです。
ドリンクはコーラ、ジュース、ウーロン茶、ビールとこちらも定番商品があります。熱さのせいでしょうか?今日は女性でビールをグイグイ飲んでいる人が目に付きます。
いわゆる定番商品が多いのですが、一際目を引くのが、博多長浜ラーメンです。なぜこんなところにと言う感じですが、500円でリーズナブルでしかも一応トンコツラーメンと言うことで、よく売れています。確かに他の飲食施設のラーメンよりはずっとうまい!
それにしても飲食は本当によく売れています。どのお店も行列です。食べる場所が指定されていない分、自分の陣地で食べれば・・・という開放感からなんでしょうか・・・?
さぁ物販に目を移しましょう。物販施設はロッカールームのすぐ裏、つまりプールに出ると最初に出くわす場所にあります。
ここではサンオイルのキャンペーン販売を行っています。販売員が事細かに効用を教えてくれます。いわれてみればサンオイルはとっても種類が増えました。毎年、新商品が出ますからねぇ・・・。
話に捕まって、自分のオイルを見せると、「古いですねぇ・・・もう売ってませんよ!」だって・・・ほっとけつうの!
さぁ豊島園本体の物販ですが、定番の浮き輪、敷きもの、サンダルの3大アイテムは全て1000円以下で手に入れられます。浮き輪はその場で袋を捨てて空気を入れてくれます。
おもしろかったのは、これ!
小さなボトルに入ったボディーソープです。一つ130円。何種類か臭いが違うタイプがあるようです。午後3時を回るとこの商品がどーんと出てきています。よく売れているようでした。確かに忘れがちな商品ですからねぇ・・・。
各お店とも現金でもタグでも購入可能です。とにかく飲食がよく売れているのはびっくりです。
感想
豊島園はまさに運営のバーリトゥードです。最低限の注意事項と禁止事項を守らせて後は自由!大混雑の中、運営するにはやはりこれしかないのでしょうか?
ただこんな中で最低限の通路の確保のために事前に白線を引いたり、サインなどを充実させたりして、「最初からダメなのよ!」という心理を来場者側に訴えるところは参考になります。運営中のクレームが発生するときは、大抵が施設側が後付でつけた制限に対して発生することが多いですから、先回りした制限の告知はグットです!
さらに、制限箇所以外は基本的に何でもありで、殆ど注意もされないので、来場者側も「他が自由だからしょうがなかぁ・・・」という気持ちになります。
飲食にしても、物販にしてもテナントを上手に使っていました。トンコツラーメンは以外、気温35度でもとってもうまいのはなぜでしょうか・・・?
アミューズメントの生命線である、飲食は凄まじい売れ行きです。いわゆる定番もので構成されていますが、好きなところで自由に食べられるという点が良いのではという気がします。
残念だったのはキャッシュレスタグ、スライダーのリストチケット、有料席のリストチケットを全部巻くと、腕がチケットだらけになってしまうこと・・・。これはちょっといただけないような気がします。せっかくIC内蔵なんだから、キャッシュレスタグに全部管理させる方法なんて無いものでしょうか?
日頃から混雑するパークの混雑日。運営のポイントはバーリトゥード(何でもあり!!)です!
23区内の遊園地の草分け的な存在。かつては夏になるとプールがイモ洗い状態になったことが報道されるなどの盛況ぶりだった。また、ちょっとネガティブ要素の強いCMなどでも話題を集めた施設。
2020年8月31日に惜しまれつつも94年の歴史を閉じました。